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On the Production
by 井口健二
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■おそ松さん、誰がために憲法は(ベトナムを懐う、桜の森の満開、アメリカン・A、バイス、シベリアからの、リアム16歳、JK☆ROCK、4月の君)
・ジェームズ・オーデュボン著「アメリカの鳥類」。確かに
高額で取引された本のベスト10中5冊を占めるというものだ
が、サイズは1m×72pもあって重さも相当。それを見るだ
けで普通は諦める。しかし主人公らはハリウッド映画から手
口を学び、いざ実行となるが…。出演は2016年4月紹介『ラ
ザロ・エフェクト』などのエヴァン・ピータースと、2017年
8月6日題名紹介『ダンケルク』などのバリー・コーガン。
これに4人の犯人と被害者女性本人へのインタヴューも挿入
されて、馬鹿げた犯罪の全貌が明かされる。公開は5月17日
より、東京は新宿武蔵野館他で全国ロードショウ。)

『バイス』“Vice”
(2000年の選挙戦でブッシュ陣営の副大統領として選出され
たディック・チェイニーの実像を描いた作品。元々は「副大
統領なんて飾りに過ぎない」と言っていた男が、無能な大統
領を支えるどころか事実上の施政者として君臨する。2018年
12月16日題名紹介『記者たち』でも描かれた米国政界最大の
スキャンダルを、その当事者の側から暴露する作品だ。出演
は見事な変貌を見せるクリスチャン・ベールと、2014年4月
紹介『her』などのエイミー・アダムス。他にスティーヴ・
カレル、サム・ロックウェルらが脇を固めている。製作・脚
本・監督はSNL出身のアダム・アッケイ。監督自身もリサ
ーチするまで真相を知らなかったという影の大統領の実態が
描かれる。それは「ザ・官僚」とも呼べる政界に精通した男
の所業だが、ブッシュ同様の2世政治家が政界を牛耳る国の
予兆とも言えそうだ。公開は4月5日より、東京はTOHOシネ
マズ日比谷他で全国ロードショウ。)

『シベリアからの手紙』“Lettre de Sibérie”
(1995年にテリー・ギリアムが監督した『12モンキーズ』の
元となる1962年『ラ・ジュテ』などを遺し、2012年に他界し
たクリス・マルケル監督が、1958年に発表したソビエト連邦
の辺境部を写したドキュメンタリー。そこは東洋系の民族も
多く暮らす地域だが、その地の自然やそこに暮らす人々の姿
を、アニメーションも交えた多彩な手法で描いている。因に
監督は、本作の2年前に革命直後の中国で撮影した『北京の
日曜日』なども発表していて左翼系の人ではあるが、本作で
はアメリカへの揶揄などはあるものの特に共産主義賛美とい
う感じではなく、詩的な映像の中で全体はユーモラスに当時
の風物が描かれている。そこには温かさもあり、観ていて心
地よさも感じられる作品だった。それにしてもあのポスター
は? 公開は4月6日〜19日に、東京は渋谷ユーロスペース
にて、上記の『北京の日曜日』など全8作品が「クリス・マ
ルケル特集2019<永遠の記憶>」として上映される。)

『リアム16歳、はじめての学校』“Public Schooled”
(通学はせず、シングルマザーとの自宅学習で高校生の年代
になった少年が、大学受験に必要な高卒資格を得る試験のた
めに高校を訪れる。そこで1人の女子高生を見初めた彼は、
思わず答案用紙を白紙にして高校編入を希望するが…。まあ
かなりありそうもない話ではあるが、そんな架空の話の中で
アメリカの高校生を取り巻く環境などがコメディタッチで巧
みに描かれる。共同脚本と監督は、カナダの演技学校スタジ
オ58を卒業のカイル・ライドアウト。2015年のデビュー作で
各地の国際映画祭の観客賞などを受賞した新鋭の第2作だ。
出演は2013年10月紹介『キャリー』などのジュディ・グリア
と、スタジオ58出身でテレビや短編映画に多く出ているダニ
エル・ドエニー。他に2003〜09年のテレビシリーズ『ギャラ
クティカ』で人気を得たという韓国系のグレース・パークら
が脇を固めている。公開は4月27日より、東京は新宿シネマ
カリテ他で全国順次ロードショウ。)

『JK☆ROCK』
(徳間ミュージック所属のガールズ・バンド DROP DOLLが出
演する青春音楽映画。先に登場するのはJoKersという男性デ
ュオ。彼らは人気絶頂で突然解散し、その一方は渡米、他方

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02月17日(日)
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