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On the Production
by 井口健二
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■テルマ(運命は踊る、Workers、プーと大人になった僕、エンジェル、銃、カスリコ、スカイスクレイパー、クワイエット・プレイス)
が矛盾するが、最後に発射される2発にはいろいろ考えられ
るところもあり、矛盾は解消できる。ただ最初に弾倉を開け
たときにフル装填に見えた感じがし、それと最後に弾倉に残
された1発との関連が気になったところだ。公開は11月17日
より、東京はテアトル新宿他で全国ロードショウ。)
『カスリコ』
(日本シナリオ作家協会選出の新人シナリオコンクールで、
2016年度の大伴昌司賞準佳作を受賞した國吉卓爾の脚本を、
殺陣師、映画監督の高瀬将嗣が映画化した作品。昭和40年代
の高知を舞台に、良い腕を持ちながら賭博で身を持ち崩した
板前が、カスリコと呼ばれる賭場の下働きとなり、賭場の常
連客など様々な人たちとの交流を通じて立ち直って行く姿を
描く。とは言っても違法賭博の話であり、さらにそこに時代
背景に基づく陰も落ちてくる。出演は石橋保、宅麻伸。他に
高橋長英、小市慢太郎、中村育二らが脇を固めている。昭和
40年代の後半は僕も大学生で、知人の作家などから違法賭博
の話を聞いたこともあるが、本作にはそんな時代が丁寧に描
かれている。それは作者たちの憧れだったのかもしれない。
そんな反社会的ではあるが日本文化の一端が、記録として再
現されているとも言える作品だ。公開は11月3日より、高知
あたご劇場を皮切りに全国順次ロードショウ。)
『スカイスクレイパー』“Skyscraper”
(香港に新築された高さ1000mの超高層ビルを舞台に、好漢
ドウェイン・ジョンスン演じる片足義足の元FBI人質救出
員が、燃え盛る上層階に取り残された家族救出のため、火災
を起こした犯罪集団と闘いを繰り広げる。超高層の火災とい
うと1974年『タワーリング・インフェルノ』を思い出すが、
時代も変わると原因や結果も変わってくる。特に本作では、
こんな事件を引き起こす犯罪集団の動機も気になるが、その
辺が納得できるように描かれていた。そしてアクションも、
いやはやこれは凄いと言えるものになっている。勿論、それ
は無理だろうという展開も満載だが、それを楽しむのが本作
だと言える作品だ。共演は2011年9月紹介『スクリーム4』
などのネーヴ・キャンベル。他に、2017年4月紹介『ゴース
ト・イン・ザ・シェル』などのチン・ハン、2015年1月紹介
『プリデスティネーション』などのノア・テイラーらが脇を
固めている。公開は9月21日より、全国ロードショウ。)
『クワイエット・プレイス』“A Quiet Place”
(2014年6月紹介『ALL YOU NEED IS KILL』などのエミリー
・ブラントが、夫のジョン・クラシンスキー脚本、監督で、
さらに夫婦共演も果たしたSFサスペンス。設定は音に反応
する何かによって人類が滅亡に瀕している世界。そんな中で
その夫婦と子供たちは通路に砂を敷くことで足音も立てない
ようにした場所で暮らしていた。しかし様々な出来事が徐々
に彼らを追い詰めて行く。上記の『エンジェル』と共に本作
も1アイデアの作品だが、両作共に詰めの甘さを感じる。特
に本作では、聴覚は鋭敏でも盲目の敵に対して、単純なブー
ビートラップも含めて、打つ手が何もないとは思えない。で
もまあそんなことは思いつつも、ハラハラドキドキはしてし
まう作品だ。共演は2018年1月紹介『ワンダーストラック』
のミリセント・シモンズと、4月題名紹介『サバービコン』
のノア・ジュプ。公開は9月28日より、東京はTOHOシネマズ
日比谷他で全国ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
08月12日(日)
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