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On the Production
by 井口健二
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■パンク侍、スペースバグ(若い女、子ども、ブレス、人間機械、スウィンダ、グッバイG、大人のため、妻の愛、榎田、北朝鮮、ゲッベルス)
ポリオに罹患した男性は首から下が完全麻痺となり、人工呼
吸器が止まれば即死という状態になる。そして息子が生まれ
るも絶望的な状況の中、彼は病院を出たいと言い出すが…。
友人の発明した人工呼吸器付車椅子が彼の運命を変える。出
演は、2017年4月2日題名紹介『ハクソー・リッジ』などの
アンドリュー・ガーフィールドと、2011年7月紹介『デビル
クエスト』などのクレア・フォイ。他に2011年5月紹介『ハ
ンナ』などのトム・ホランダー。それにオールドファンには
懐かしいダイアナ・リグがキーとなる役柄で登場している。
監督は『ホビット』の第2班監督を務めた俳優のアンディ・
サーキス。長編監督デビュー作だ。公開は9月7日より、東
京は角川シネマズ有楽町他で全国順次ロードショウ。)
『人間機械』“Machines”
(インドにある繊維産業の工場で、半ば機械と化して過酷な
労働を続ける人々を追ったドキュメンタリー。この種の搾取
に関してはすでに何度も告発されて、一部では改善もされた
のだろうが、現実には昔通りのことが行われているようだ。
その実態は、企業側から見るともっと合理化すれば収益も上
げられると思えるが、豊富な労働力の供給が旧態依然を維持
してしまう。そんな現実が特に誰かを批判するでもなく描か
れている。それは問題意識の欠如を批判する向きもあるかも
しれないが、本作ではそれよりさらに詩的な側面で現実を見
つめた作品になっている。しかも音響にはDolby Atmosが採
用され、試写会はそうではなかったが、最近流行りの爆音上
映でも行われれば、正に工場の中にいるような感覚にもなり
そうだ。そんな過酷な労働の実態が体感できる作品になって
いる。監督は新鋭のラーフル・ジャイン。公開は7月より、
東京は渋谷ユーロスペース他で全国順次ロードショウ。)
『スウィンダラーズ』“꾼”
(2017年12月10日題名紹介『コンフィデンシャル共助』など
のヒョンビン、2013年7月紹介『人類資金』などのユ・ジテ
らの共演で、韓国で実際に起きたマルチ商法詐欺事件をモデ
ルにしたクライムドラマ。主人公は詐欺師を相手に詐欺を働
く天才詐欺師。そんな彼の今回のターゲットはマルチ商法で
得た大金を持って海外に逃亡した男。その男の持ち逃げした
大金が狙いだ。そして男の連絡役に目を付けた主人公は、連
絡役に大金を一気に洗浄する手口を見せて近づくが…。実は
主人公はマルチ商法事件を追った検事とも結託し、逃亡した
男の逮捕も目論んでいた。脚本と監督は、助監督出身の新鋭
チャン・チャンウォン。詐欺師テーマは韓国映画がお得意の
分野ではあるが、過去の作品では手口が複雑で、国情などの
違いから即座に納得できない作品も多い。しかし本作では経
緯も判り易く見事な物語を展開してくれた。公開は7月7日
より、東京はシネマート新宿他で全国ロードショウ。)
『グッバイ・ゴダール!』“Le Redoutable”
(1967年、ジャン=リュック・ゴダール監督の『中国女』に
出演し、監督の妻にもなった女優アンヌ・ヴィアゼムスキー
が2015年に発表した自伝的小説“Un an après”を、2012年
2月紹介『アーティスト』でオスカー受賞のミシェル・アザ
ナヴィシウス監督が映画化。世界の映画を変えた男として絶
賛されたヌーヴェルヴァーグの監督が毛沢東思想に傾注し、
フランスでの革命運動に身を投じて行く。とは言っても監督
自身の行動や作品は様々な批判を浴びるようにもなる。そん
な姿を監督の妻という間近から描いた物語だ。ただしこれは
あくまで妻の立場から語った小説であり、この全てが真実か
どうかは判らない。しかし当時の学生運動や映画事情などが
描かれるのは、一応当時すでに映画を観始めていた自分には
懐かしさも感じる作品だった。出演は2016年5月紹介『ハイ
・ライズ』などのステイシー・マーティン。公開は7月13日
より、東京は新宿ピカデリー他で全国順次ロードショウ。)
『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』
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06月03日(日)
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