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On the Production
by 井口健二
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■沖縄スパイ戦史、万引き家族、V.I.P. 修羅の獣たち(アーリーマン、ほたるの川、ニンジャバットマン、インサイド、クリミナル・タウン)
ゴンと、2008年8月紹介『ファム・ファタール』などのキム
・ミョンミン。他に、2012年5月紹介『依頼人』などのパク
・ヒスン、2012年11月紹介『リターン・トゥ・ベース』など
のイ・ジョンソク。そして2017年4月紹介『ラプチャー 破
裂』などのピーター・ストーメアらが脇を固めている。
主人公が捜査担当に任命される時点で、警察上層部が事件の
全容をどこまで把握していたのか? その点がちょっと疑問
に感じるところではあるが、全体のエンターテインメントと
しては充分な見応えがあった。
公開は6月16日より、東京はシネマート新宿他で全国ロード
ショウとなる。

この週は他に
『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』“Early Man”
(2005年12月紹介『ウォレスとグルミット』などのニック・
パーク監督&アードマン・アニメーションズによる最新作。
本作では新石器から青銅器へと変化する先史時代を背景に、
鉱石の採掘のために緑の谷を追われた主人公たちの、故郷を
取り戻す闘いが描かれる。その闘いは、谷間の領有を賭けた
サッカー試合として繰り広げられるが…。サッカーは素人同
然の主人公たちが錚々たるテクニシャンを揃えた王族チーム
に挑む。サッカーファンには夢のような展開の物語で、ルー
ル的にはいろいろ注文を付けたくなるシーンもあるが、まあ
普段から弱小チームを応援している身には、感涙ものの展開
になっていた。声優陣には、『ファンタスティック・ビース
ト』のエディ・レッドメイン、『マイティ・ソー』のトム・
ヒドルストン、テレビ『ゲーム・オブ・スローンズ』などの
メイジー・ウィリアムズ、それに監督のニック・パークらが
並んでいる。公開は7月6日より、全国ロードショウ。)

『ほたるの川のまもりびと』
(佐賀・長崎の県境を水源として大村湾へと注ぐ二級河川の
川棚川。その支流の石木川に1972年発表された「石木ダム」
計画を巡って、地元住民が繰り広げている反対運動を追った
ドキュメンタリー。ダムの目的は利水と治水。しかし現状の
水事情は逼迫しておらず、治水も本流の流域面積の1割程度
では効果がないとされる。しかし1度決まった計画にはすで
に利権が発生し、住民からの質問状には無回答のまま、県は
計画を推し進めようとする。住民はそれに抵抗することほぼ
半世紀。中には補償金を貰って移住した家族もいるが、残る
住民たちの結束は固い。ダム建設の反対運動では、大分県の
「蜂の巣城紛争」が記憶されるが、学者も不要論を唱える中
で、今もこれが続いている現実には驚かされた。映画の結末
では県の動きも活発化しており、今後も注目すべき作品だ。
公開は九州地区先行で、東京は7月7日より、渋谷ユーロス
ペースにてロードショウ。)

『ニンジャバットマン』
(2017年10月紹介『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』に
続くアメコミヒーローを主人公にしたアニメーション作品。
本作では、前作で活躍のなかったバットマンを中心に、悪漢
たちの陰謀で日本の戦国時代にタイムスリップしたバットマ
ンが、バットモービルも使用不能となる中、知力を尽くして
時間流を引き戻す。最近の「ジャスティスリーグ」は試写状
も届かず観ていないので、2016年8月14日題名紹介『スーサ
イド・スクワッド』に登場のハーレイ・クインはまだしも、
それ以降の悪漢にはキャラクターの設定に馴染みがない。そ
れでもまあ物語的にはほぼ『戦国自衛隊』だから判り易く、
さすが脚本が2013年8月紹介『ゲキ×シネ:シレンとラギ』
などの中島かずきだけのことはあるという感じはした。とは
言うもののこの人は、SFを本質的には理解していないと思
う面もあり、ファン的には物足りなさも感じる作品だった。
公開は6月15日より、全国ロードショウ。)

『インサイド』“Inside”
(2007年製作のフランス映画を、2008年3月紹介『REC』
などのジャウマ・バラゲロの脚本でリメイクした作品。妊婦
の乗った車が衝突事故に遭い、運転していた夫は死亡、しか

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05月20日(日)
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