ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459736hit]
■プリキュア・SS(フロリダ・P、ラジオ・K、家に帰ると、ガザ、女と男の、天命の、猫は抱、枝葉の、ビッグH、カトマンズ、フジコ・H)
より、東京は丸の内ピカデリー他で全国ロードショウ。)
『天命の城』“남한산성”
(1936年に起きた「丙子の役」を題材に、清の侵入に抗して
極寒の山城に立て籠もった朝鮮王朝と民衆の47日間に亙った
闘いの物語。韓国でベストセラーとなった小説の映画化のよ
うだが、和睦か、闘いか、韓国人とってはかなり厳しい内容
とも思える物語が克明に描かれる。出演はイ・ビョンホン、
キム・ユンソク、パク・ヘイル、コ・ス。監督は2012年7月
紹介『トガニ 幼き瞳の告発』などのファン・ドンヒョク。
韓国映画界の精鋭が揃った歴史大作だ。また音楽を韓国映画
には初参加の坂本龍一が担当している。小説の映画化だから
どこまでが史実の通りなのかは判らないが、ほんの一歩のと
ころで歴史が変わって行く。そんな哀しみも描かれている作
品だ。その後の日本との関係も含めていろいろ考えさせられ
た。公開は6月22日より、東京はTOHOシネマズ・シャンテ他
で全国ロードショウ。)
『猫は抱くもの』
(大山淳子の同名小説を、2012年8月紹介『のぼうの城』な
どの犬童一心監督が、2017年4月2日題名紹介『武曲』など
の高田亮の脚色で撮った、かなり凝った構成の作品。主人公
は元アイドルグループのメムバー。グループは解散し、半ば
引退状態の主人公はスーパーでバイトしながら何となく時を
過ごしている。そんな彼女の傍には1匹の猫がいて…。物語
は人間界と猫界が交互に進むが、特に猫界の描き方が見事で
感動的だった。出演は沢尻エリカ、吉沢亮。それに本作の音
楽も担当した「水曜日のカンパネラ」のコムアイ、同じくミ
ュージシャンの「銀杏BOYZ」峯田和伸。さらに岩松了らが脇
を固めている。監督の苗字は犬堂だが、2008年5月紹介『グ
ーグーだって猫である』など本当に猫好きのようで、本作で
もそれが良く表れていた。公開は6月23日より、東京は新宿
ピカデリー他で全国ロードショウ。)
『枝葉のこと』
(2012年の「ぴあフィルムフェスティバル」で準グランプリ
を受賞した二ノ宮隆太郎が監督・脚本・主演を務める私小説
的作品。横浜郊外の自動車修理工場に勤める主人公が、周囲
との関わり合いを嫌いながらも、その中に居場所を見つけて
行く姿が描かれる。ただし物語は、正に題名にある通りの枝
葉末節の出来事が綴られて行くもので、その内容に共感でき
るかどうかで評価は分かれることになりそうだ。正直に言っ
て僕自身は余り共感は出来なかったが、こういう世界がある
場所では現実なのだろうし、それに共感する人たちがいるこ
とに理解はする。その程度に現実的な世界が展開されている
作品ではあるのだろう。ただ何か、映画の中にそういうこと
ではない物が欲しくはなる所で、監督の次回作にはその辺を
期待したい。公開は5月、東京は渋谷のシアター・イメージ
フォーラムにてロードショウ。)
『ザ・ビッグハウス』
(前々回『港町』を題名紹介した想田和弘監督による「観察
映画」の第8作。本作の観察対象は監督が本拠を置く合衆国
で、ミシガン州にある全米最大のアメリカンフットボール・
スタジアム「ザ・ビッグハウス」。その試合の舞台裏が観察
される。僕自身がJリーグのサポーターだから、こういう試
合の舞台裏には興味津々だが、それにしてもその規模の大き
さに圧倒される。大体、スタジアム自体が10数万人の客席を
持ち、毎試合10万人超えの観客が集まるというのだから…。
そこでの警備体制や救護体制、さらには10万人以上の腹を満
たす飲食物の調理・販売など、正に戦場のような勢いで進む
様子が映し出される。それと同時にマーチングバンドの準備
風景や選手の到着の様子など、正に僕が観たいものを全て見
せてくれる作品だった。公開は6月、東京は渋谷のシアター
・イメージフォーラム他で全国順次ロードショウ。)
『カトマンズの約束』
(2015年4月25日に発生したネパール大地震を題材にしたド
ラマ作品。監督は東京情報大学の教授でネパール映画研究の
[5]続きを読む
03月18日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る