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On the Production
by 井口健二
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■エレファントカシマシ/REBECCA 渋谷公会堂、スターシップ9、ウインター・ドリーム 氷の黙示録
最優秀監督賞を受賞したのを皮切りに、バッファロー国際映
画祭、ボストン・サイエンスフィクション映画祭、ハリウッ
ド・リール・インディペンデント映画祭などで作品賞に輝い
ているそうだ。
公開は、東京では7月15日より開催の「カリテ・ファンタス
ティック!シネマ・コレクション」の1本として上映され、
以降、全国順次ロードショウとなる。

この週は他に
『ベイビー・ドライバー』“Baby Driver”
(2008年5月紹介『ホット・ファズ』などのエドガー・ライ
トが、脚本、製作総指揮も兼ねた監督最新作。ヘッドフォン
から流れる音楽に載せて超絶のドライヴィングテクニックを
魅せる主人公と、そのテクニックを利用して銀行強盗を計画
する犯罪組織のボス。見事なカースタントを絡めて、ライト
監督特有の毒に満ちたコメディが展開される。主演は2017年
5月紹介『ダイバージェント』シリーズに出ていたアンセル
・エルゴート。その脇をケビン・スペイシー、ジェイミー・
フォックス、2016年7月31日『高慢と偏見とゾンビ』などの
リリー・ジェームズらが固めている。主人公が犯罪に巻き込
まれる経緯なども納得できる巧みな作品。これなら文句なし
だ。公開は8月19日より、全国ロードショウ。)
『山村浩二 右目と左目で観る夢』
(2002年に『頭山』でアメリカ・アカデミー賞短編アニメー
ション部門に日本人では初めて正式ノミネートされた作家の
最新作を集めた作品集。上映されるのは『怪物学抄』(2016)
『Fig(無花果)』(2006)『鶴下絵和歌巻』(2011)『古事記 日
向篇』(2013)『干支 1/3』(2016)『five fire fish』(2013)
『鐘声色彩幻想』(2014)『水の夢』(2017)『サティの「パラ
ード」』(2016)の9作で、全体の上映時間は54分となってい
る。作品はかなりシュールなものからそれなりにリアルなも
のまで様々で、内容も飛んだものから教訓がありそうなもの
までヴァラエティに富んでいる。観ているだけで楽しい作品
集だ。公開は8月5日より、東京は渋谷のユーロスペース他
で全国順次ロードショウ。)
『銀魂』
(「週刊少年ジャンプ」連載のコミックスを、小栗旬主演で
実写映画化した作品。幕末に黒船ではなく宇宙人が来襲し、
一気に科学文化が進んでしまった日本=江戸を舞台にした侍
アクション…? 共演は菅田将暉、橋本環奈、長澤まさみ、
岡田将生、中村勘九郎、堂本剛と若手では中々の顔触れが揃
っている。ただ上記の設定からの現実の歴史とのすり合わせ
みたいなものがあまり描かれず、SFとしては物足りない感
じがした。もっとも脚本監督の福田雄一は元々そんなものに
は興味はないらしく、その既存の設定の中だけで物語を構築
しようとしているようだ。多分そういったものが現代の若い
観客には受けるのだろう。SF的にもう一捻りあれば…とは
思うが。公開は7月14日より、全国ロードショウ。)
『ロスト・イン・パリ』“Paris pieds nus”
(カナダの極北部の村で暮していた女性が、ひょんなことか
らパリにやって来た顛末を描いたコメディ。2010年5月紹介
『アイスバーグ』と『ルンバ』のドミニク・アベル、フィオ
ナ・ゴードン夫妻の製作、脚本、監督、主演による作品。プ
レス資料には、「ジャック・タチの再来」などとあったが、
アベル(ドム)の登場シーンなどは、タチなら決してやらな
かったものだろう。作品は基本的に夫妻の本業である道化師
の技に拠っているもので、2人のダンスシーンなどには、タ
チよりチャップリンを思い出した。いずれにしてもノスタル
ジックな作品だ。共演に今年逝去した名女優エマニュエル・
リバが登場する。公開は8月5日より、東京は渋谷のユーロ
スペース他で全国順次ロードショウ。)
『きっと、いい日が待っている』“Der kommer en dag”
(1960年代後半の時代背景でデンマーク・コペンハーゲンの
養護施設を舞台にした実話に基づくとされる作品。貧しい家
庭の兄弟が、病弱な母親と別れて施設に収容される。しかし
そこはしつけとは名ばかりの体罰が横行する場所だった。そ

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06月25日(日)
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