ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459775hit]
■二度めの夏二度と会えない君、Heart and Hearts Korean Film Week、ワンダーウーマン
ンにオスカーをもたらしたパティ・ジェンキンス。6月2日
に全米公開された本作は、女性監督作品では史上最高の興行
記録を樹立している。
映画の開幕にはウェイン(バットマン)からのプレゼントが
登場して、本作が『ジャスティスの誕生』の続きであること
が明示される。そして物語はそのプレゼントによって呼び起
こされた思い出として語られるものだ。
従って本作の続きが現代の『ジャスティス・リーグ』になる
ことは明白となったもので、取り敢えずの次回作は、年末公
開の作品への登場になるようだ。その他にワンダーウーマン
単独の活躍も期待したいが…。
本作の日本公開は8月25日より、2D/3D/IMAXでの全国
ロードショウとなる。
この週は他に
『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』
(第2次大戦後のアメリカ統治下における沖縄で、立法院議
員や那覇市長を歴任し、沖縄返還以前の国政参加選挙から衆
議院議員としても活動した政治家の姿を追ったドキュメンタ
リー。2017年1月紹介『標的の島』など米軍支配下の沖縄の
現状を伝えるドキュメンタリーは何本か観ているが、その根
底にある沖縄返還時のことはあまり明白ではなかった。本作
はそこにいた瀬長亀次郎という人物を中心に、その事実関係
を描いた作品にもなっている。そこでは本土の日本人が昭和
天皇を筆頭に、沖縄を米軍に売り飛ばした経緯が語られる。
この事実を日本人は深く受け止めなくてはいけない。公開は
8月26日より、東京は渋谷のユーロスペース他にて全国順次
ロードショウ。)
『逆光の頃』
(マンガ家タナカカツキが1988年に発表したデビュー作を、
2012年11月紹介『ももいろそらを』などの小林啓一監督が映
像化した作品。京都の町並みなどを背景に高校2年生の主人
公の仲間との別れや喧嘩、それに淡い初恋などが描かれる。
原作は叙情派とも呼ばれる作品だそうで、吹き出しなども最
小限に描かれているようだが、本作でそれがどこまで伝えら
れているか…。ただ京都の風物の描写は目を見張るほどに美
しく、それを観るだけでも充分の満足できる作品になってい
る。出演は2017年05月21日題名紹介『トリガール!』などの
高杉真宙。他に葵わかな、清水尋也、金子大地、佐津川愛美
らが脇を固めている。公開は7月8日より、東京は新宿シネ
マカリテ他で全国順次ロードショウ。)
『俺たちポップスター』
“Popstar: Never Stop Never Stopping”
(2008年11月紹介『無ケーカクの命中男』などのジャド・ア
パトーが製作を務め、Saturday Night Liveのレギュラーだ
ったコミックトリオTHE LONELY ISLANDのアンディ・サムバ
ーグ、ヨーマ・タコンヌ、アキヴァ・シェイファーが製作、
脚本、音楽、出演(後2人は監督も)を務める音楽が題材の
フェイク・ドキュメンタリー。幼馴染3人のバンドから1人
がソロデビューするが…。ポップスターの栄光と挫折が描か
れる。物語自体は有り勝ちかなとも思えるが、さすがSNL
絡みという豪華なゲストが様々なコメントで観客を楽しませ
る。と言っても音楽に疎いと半分も判らないが、判る範囲だ
けでも相当の顔触れが登場している。公開は8月5日より、
東京は新宿シネマカリテ他で全国順次ロードショウ。)
『怪盗グルーとミニオン大脱走』“Despicable Me 3”
(情報解禁前のため割愛)
『三里塚のイカロス』
(1966年6月の佐藤首相の発表に始まる現成田国際空港を巡
る三里塚闘争で、1970年以降に農民支援の目的でその土地に
入った新左翼系学生たちの現在を追ったドキュメンタリー。
そこにはそのまま農家に嫁いだ女子学生たちや、開港直前の
1978年3月に管制塔に突入して開港を延期させた闘士らへの
インタヴューなど、正に歴史を生きた人々の生の声が記録さ
れている。実を言うとこの出来事は僕自身の学生時代とも重
なるもので、学友の中にも支援で現地に入った者もおり、他
人事では見られない作品だった。その一方で当時の航空公団
[5]続きを読む
06月18日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る