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On the Production
by 井口健二
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■第25回フランス映画祭、パワーレンジャー
同じ話は1970年に『ハネームーン・キラーズ』として映画化
され、フランソワ・トリュフォーらに絶賛された。今回はそ
の旧版も同時公開される。因に本作はオースティンファンタ
スティック映画祭で作品、監督、主演男女優の4冠に輝いて
いる。また監督は本作を3部作の第2弾と位置づけ、第3弾
も計画しているそうだ。公開は7月1日より、R15+措定で
東京は新宿武蔵野館他にて全国順次ロードショウ。)
『鎌倉アカデミア 青の時代』
(敗戦後の鎌倉に4年半だけ存在した大学校のドキュメンタ
リー。そこでは林達夫、高見順、中村光夫らの学者、文化人
が教鞭を執り、その学舎からはいずみたく、山口瞳、前田武
彦、高松英郎、勝田久、川久保潔、鈴木清順らが巣立った。
この学校のことは以前から知ってはいたが、その設立の経緯
や廃校に追い込まれる事情などは詳らかではなかった。その
ようなことが描かれた作品。監督は2000年『火星のわが家』
などの大嶋拓。因に監督はアカデミアの教授の1人で、最後
まで存続に尽力した青江瞬二郎の長男。作品は10年前の記念
式典から始まるが、すでに故人も多く、もっと早く作って欲
しかった作品だ。公開は5月20日〜26日の1週間、新宿K's
cinemaにて連日12:30からの1回上映となる。)
『ボンジュール、アン』“Paris Can Wait”
(フランシス・フォード・コッポラの妻で夫や娘の作品を裏
で支えてきたエレノア・コッポラが、80歳にして劇映画監督
デビューを果たした作品。映画プロデューサーの妻がカンヌ
映画祭からパリまで、夫のビジネスパートナーの男性と車で
2人旅の顛末を描いたロードムーヴィ。カンヌを出てすぐに
サント=ヴィクトワール山が登場し、実は前日に上記の『セ
ザンヌ…』を観ていたので顔がほころんでしまった。その後
も、リヨンのリュミエール兄弟の記念館など映画ファンには
嬉しい風景が次々に登場し、主人公らに供されるワインやグ
ルメと共に旅をした気分になる作品だ。出演はダイアン・レ
イン、アルノー・ヴィアール、アレック・ボールドウィン。
公開は7月7日より、全国ロードショウ。)
『ぼくらの亡命』
(2011年6月紹介『ふゆの獣』などの内田伸輝監督による同
作以来の第3作。本作でも訳アリの男女が彼らには冷たい社
会を彷徨う。男は引きこもりが高じて郊外の川べりでテント
暮らしのホームレス。女は美人局の片棒で新宿大ガード下が
仕事場の街娼。そんな女を男が見初め現実を教えるために拉
致してしまうのだが…。どうしようもないというよりは遣る
瀬無い感じの物語だ。出演は2014年塚本信也監督の『野火』
に出ていたという須森隆文と入江庸仁、映画は2作目にして
主演の櫻井亜衣、2016年1月紹介『女が眠る時』に出ていた
松永大輔ら、主にインディペンデンス映画系の俳優で固めら
れている。公開は6月24日より、東京は渋谷ユーロスペース
他で全国順次ロードショウ。)
『ふたりの旅路』“Magic Kimon”
(2005年ロシアのアレクサンドル・ソクーロク監督『太陽』
でも共演のイッセー尾形と桃井かおりが再共演したラトビア
のマーリス・マルティンソーンス監督によるちょっとファン
タスティックな要素もある作品。神戸の街で心を閉ざしたま
ま1人暮らしを続けていた女性が着物ショウへの出演でラト
ビアの首都リガを訪れる。そこで彼女は不思議な体験に遭遇
する。それは観客が傍から見ていると早くから事実関係に気
付くが、当事者にとってはこれが現実かもしれない、そんな
2人の微妙な関係が巧みな演技で表現されて行く。共演は主
にラトビアの俳優のようだが、日本のシーンで木内みどりと
石倉三郎が顔を出している。公開は6月24日より、東京は渋
谷ユーロスペース他で全国順次ロードショウ。)
『トータスの旅』
(2017年4月2日題名紹介『ポエトリー・エンジェル』を送
り出した田辺・弁慶映画祭で昨年上映され主演の木村知貴が
男優賞を受賞した作品。亀をペットに生真面目に生きてきた
男が妻を亡くし、反抗期の息子との2人暮らしとなる。そこ
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05月14日(日)
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