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On the Production
by 井口健二
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■トモダチゲーム・劇場版、ライフ、ディストピア パンドラの少女、桃とキジ
確だし、ここはFlesheatersとしたいところだが…。
いずれにしても少女たちのいた基地が彼らに襲われ、ロンド
ンの街中を次の基地を目指して移動するサヴァイヴァルが本
作の見どころとなる。しかもその主人公が少女というのは、
目新しいというか典型的なヤングアダルトものだ。
そして最後の敵も子供たちとなる。その発想は見事と言える
作品だ。
公開は7月1日より、東京は新宿バルト9、ヒューマントラ
ストシネマ渋谷他で、全国ロードショウとなる。

『桃とキジ』
2015年4月紹介『樹氷侍』に続くご当地映画の報告。今回も
サッカーの応援に訪れた岡山県で、ご当地発の映画と素晴ら
しい映画館に出逢った。
物語は題名の通り「桃太郎」に基づくものだが、その物語を
映画化したものではなく。幼稚園の学芸会で桃太郎を演じた
少女が長じて女優を目指し、上京して俳優養成所のようなと
ころで学ぶも目が出ず現在に至っている、という発端。
そんな主人公に学芸会でキジを演じた男子から、故郷岡山で
女手一つで帽子店を切り盛りしていた彼女の母親が店を畳む
らしいというメールが届く。そこで急遽帰省した彼女だった
が、母親と会うなり言い争いになってしまう。
そこはやってきたキジの男子がとりなしてくれるのだが、再
会したイヌ、サルの男子は、キジも共にいずれも地元で堅実
に仕事をし暮らしているようだった。そんな中で主人公は自
分の将来を考え始める。
主演は櫻井綾。共演に限定上映されたロックバンド「TUBU」
のアニバーサリー作品『渚の恋人たち』などに出演の弥尋。
他に、手塚理美、甲本雅裕、千鳥の大悟、ベンガルらが脇を
固めている。
監督は2009年4月紹介『海の上の君は、いつも笑顔。』など
の喜多一郎。脚本は2013年9月紹介『僕たちの高原ホテル』
などの金杉弘子。
内容的にはご当地ものに有り勝ちな展開かな。これに倉敷な
どの観光地の紹介も織り込んで、よそ者にもそれなりに地元
の良さが判るように作られている。そこに実績のある監督と
脚本家だから、それは間違いのない作品だ。
上記の『樹氷侍』は地元の手作り感満載の作品だったが、本
作では甲本や大悟のような地元の出身者に外部の人間も絡め
て、それは本格的な作品に仕上げられている。現状は地元先
行公開だが、ここから全国区に上がれるかどうかだ。
それと今回は、地元先行上映の作品を岡山市のジョリー東宝
という映画館で観たが、この上映館が素敵だった。
映画館は駅と岡山城の中間の商店街のビルの5階にあるが、
元々が映画館のために作られたビルとのことで、その天井が
2階分ほど高い。しかもスクリーンが湾曲していて、これは
最近ではほとんど見掛けない設備だった。
そこで上映前の時間に受付の若い女性に聞いてみたら、昭和
40年代に作られた設備がそのままだそうで、もちろん映写機
は最新のディジタルだが、全体の雰囲気は自分が子供の頃に
観ていた映画館のようで懐かしさも込上げたものだ。
それとこの女性は、上映後に「映画良かったよ、脚本金杉さ
んだし」と声を掛けたら、「そうなんです」と打てば響くよ
うに返ってきて、この様な従業員のいる映画館は素晴らしい
とも思ったものだ。
岡山駅そばのイオンにはシネコンもあるが、地元には「映画
を観るならジョリー」という人も多いそうで、今後もずっと
頑張って欲しいものだ。

この週は他に
『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』
     “Madame B., histoire d'une Nord-Coreenne”
(中国東北部の中朝国境近くで脱北者の手引きをする女性を
追ったドキュメンタリー。彼女自身が朝鮮に夫と子供もいる
脱北者で、中国人の家族に迎え入れられているが中国籍でな
いために定職には就けない。そのため脱北者の手引きをして
金を稼ぐ。そんな女性が韓国に渡り、韓国籍を得て中国人夫
との幸せな生活を夢見るが、今度はスパイを疑われて国籍は
おろか出国もままならなくなる。正に悲惨な人生と言えるも
ので上映された海外の映画祭を震撼させたという作品だが、

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04月30日(日)
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