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On the Production
by 井口健二
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■ゴースト・イン・ザ・シェル、BLAME!
は6月、シネマート新宿他で全国順次ロードショウ。)
『君のまなざし』
(「幸福の科学」大川隆法の原案・製作総指揮によるファン
タシーの趣もある作品。主人公は身寄りもなくアルバイトを
しながら大学に通う苦学生。そんな主人公が神社の巫女に何
かを感じた瞬間から運命が動き出す。そして夏休みバイトに
訪れた山荘で、1000年の時空を超えた彼の存在の意味が判明
する。それは彼の家系に連綿と続く使命だった。同教団の映
画製作も第11作になるようだが、主人公が危機に陥っても最
後は神様が助けてくれるという展開はいつもと変わらずの作
品だった。出演は、梅崎快人、水月ゆうこ、大川宏洋。他に
黒田アーサー、黒沢年雄、手塚理美らが脇を固めている。監
督はテレビ『教師びんびん物語』などの赤羽博が劇場映画を
初監督した。公開は5月20日より、全国ロードショウ。)
『武曲 MUKOKU』
(2010年9月紹介『海炭市叙景』などの熊切和嘉監督による
最新作。剣道に運命を左右される2人の男の姿が描かれる。
1人目は警察官で剣道の達人だった父親に幼い頃から鍛えら
れた。しかしある出来事から己を見失い、警備員の職に甘ん
じながら酒浸りの生活を送っている。もう1人はラップ好き
の高校生、ところが剣道部員に絡まれ、無理やり持たされた
竹刀で天分を見出される。そんな2人の運命が絡まる。出演
は綾野剛と村上虹郎。その脇を前田敦子、風吹ジュン、小林
薫、柄本明らが固めている。藤原周の原作から2014年2月紹
介『そこのみにて光輝く』などの高田亮が脚色した。劇中の
綾野の筋肉が物凄く、エンドロールの謝辞に納得した。公開
は6月、東京は新宿武蔵野館他で全国ロードショウ。)
『ダブルミンツ』
(サブカル界のカリスマと呼ばれる中村明日美子の原作を、
2014年『グレイトフルデッド』、2016年『下衆の愛』などの
内田英治監督が映画化。サブカルという言葉にはいろいろな
イメージが湧くが、本作は比較的オーソドックスなチンピラ
ものだった。内田監督の作品は上記の2本も観ているが中々
紹介までは至らなかったもの。それは視点は良いがそこから
の展開に何か突き抜けるものが物足りない。ただし本作では
僕自身がこのBLという世界に入り込めないところにも原因
があるのかもしれない。その意味では前作『下衆の愛』の方
が理解し易かった感じだ。従って多分嗜好の合う人には良い
作品なのだろう。公開は6月3日より、東京はシネリーブル
池袋他で全国ロードショウ。)
『ハクソー・リッジ』“Hacksaw Ridge”
(第2次世界大戦末期の沖縄戦線を描いた戦争映画。沖縄戦
線というと火炎放射器で地下壕を焼き払い、そこから白旗を
掲げて日本兵や民間人が出てくる映像しか思い浮かばない。
それはジョン・フォード監督らの名匠によって記録されたも
のが、本当の戦場の様子は記録班も入れなかったほどの苛烈
なものだったようだ。その様子がメル・ギブスン監督の手で
再現されている。プレス資料には大学教授による描写が残虐
過ぎるとのコメントも寄せられていたが、これこそが本物の
戦場の姿なのだろう。その中で主人公は良心的兵役拒否者と
して武器も持たずに看護兵として奔走する。それは正しく名
誉勲章に値する活動だった。出演はアンドリュー・ガーフィ
ールド。公開は6月24日より全国ロードショウ。)
『アムール、愛の法廷』“L’Hermine”
(多民族国家フランスの裁判所法廷を描いた作品。主人公は
厳格な裁きで知られる判事。その判事に裁かれるのは娘を蹴
り殺したとされる若者。しかしその若者は「殺していない」
と繰り返すだけで人定質問にも答えようとしない。そして陪
審員席には、判事が以前に心を寄せた女性が座っていた。日
本でも裁判員制度が施行されて時間が経つが、フランスとの
裁判制度の違いにも興味が惹かれた。とは言うもののさすが
愛の国フランスなのかな? イタリアほどではないにしても
その大らかさにはちょっと驚かされた。まあ人間的と言えば
そうなのだが。監督は2013年『大統領の料理人』などのクリ
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04月02日(日)
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