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On the Production
by 井口健二
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■フィフス・ウェイブ、テラフォーマーズ、デッドプール、シチズンフォー スノーデンの暴露
調子は日本では眉を顰める人も出そうな感じだ。でもそれな
りに楽しめる作品にはなっている。
因に『グリーン・ランタン』はDCコミックスの映画化で、
本作はマーヴェルコミックスが原作のもの。最終的にはアベ
ンジャーズに組み込まれるのかな?
公開は6月1日より、全国一斉ロードショウとなる。
『シチズンフォー スノーデンの暴露』“Citizenfour”
アメリカ中央情報局 (CIA)及び国家安全保障局 (NSA)による
個人情報収集の手口を、元局員のエドワード・ジョセフ・ス
ノーデンが2013年6月に香港で告発した。その事件の全貌を
発端から全て記録したドキュメンタリー。
始まりは本作のインタヴュアーであり監督のローラ・ポイト
ラスに届いた1通のメール。そこにはシチズンフォーと名の
る人物からのCIAとNSAが密かに個人の通信データを収集・監
視していると言う驚愕の告発がなされていた。
ポイトラスは本作以前にもイラン戦争やグアンタナモ基地に
関するドキュメンタリーを発表しており、その姿勢からシチ
ズンフォーの指名を受けたことは明らかだった。そして監督
は旧知のジャーナリストと共に香港に向かう。
そこで待っていたのは、当時29歳の元CIA職員のエドワード
・スノーデン。彼はアメリカ政府機関の違法な行為を告発す
ることを表明し、その一部始終を記録することを求める。し
かも彼は実名を明かすというのだ。
こうしてアメリカ政府の妨害や、自身や家族への危険も予想
される中、イギリスのガーディアン、ワシントンポスト及び
サウスチャイナ・モーニング・ポストへの告発記事の掲載準
備が進められる。
という事件の顛末が綴られて行くが、観ての感想は一言「震
撼」の言葉以外に浮かばなかった。正直に言って世間の動き
には滅法疎くて、この事件についてもスノーデンという名前
に聞き覚えがあった程度。
しかし今回はその事件の全貌を観ることになって、その事態
の大きさに改めて驚かされたのだ。それにしても日本でこの
事件はこんなに大きく扱われたのかな。確かにこれは日本の
出来事ではないのだけれど…。
そう言えば重信房子の捕縛のときには通信の傍受が手柄のよ
うに報道されたが、同時にそれは国民の通信の秘密が侵害さ
れていたのだよね。それが司法の管理下で行われたのかどう
か、明白にはされなかったように感じる。
いずれにしても通信データは信書と同じでその秘密は守られ
るべきもので、それが侵害されていることの問題はもっと真
剣に論議されるべきものだが、この作品の公開でその辺の論
議は活発になるのだろうか?
公開は6月より、東京はシアター・イメージフォーラムほか
で全国順次ロードショーとなる。
なお同じ題材では、2009年4月紹介『ブッシュ』などのオリ
ヴァ・ストーン監督が“Snowden”というドラマ作品をすで
に完成させているが、諸般の事情でアメリカ公開が9月16日
に設定されたという情報もあるようだ。
この週は他に
『映画プリキュア・オールスターズ
みんなで歌う♪奇跡の魔法!』
『鏡は嘘をつかない』“Laut bercermin”
『エンド・オブ・キングダム』“London Has Fallen”
『好きにならずにいられない』“Fúsi”
『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』
“A Royal Night Out”
『神様メール』“Le tout nouveau testament”
『或る終焉』“Chronic”
『白鳥麗子でございます THE MOVIE』
を観たが全部は紹介できなかった。申し訳ない。
03月20日(日)
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