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On the Production
by 井口健二
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■ニーナ、サイコメトリー、サイド・エフェクト、人類資金、ホワイトハウスD、ビザンチウム、フローズン・グラウンド、Cハーロック
そこで彼は、主人公の協力を得て時価10兆円とされるM資金
を奪い、自らの目的を進めようと考えた。その手段は巧妙な
詐欺の手口だったが…。アメリカ側はそれを察知し、さらに
彼が始めた支援策も押し潰そうと画策する。
出演は、佐藤浩市、香取慎吾、森山未来、観月ありさ。その
周りを岸部一徳、オダギリ・ジョー、寺島進、三浦誠己、石
橋蓮司、豊川悦司、ユ・ジテ、ヴィンセント・ギャロ、仲代
達矢らが固めている。
また撮影では、日本映画で初とも言われる国際連合ビル周辺
での交通遮断や本会議場でのクライマックスシーンを始め、
厳冬のハバロフスク、灼熱のタイ、さらにニューヨーク市内
など作品のスケールに合わせた国際ロケーションが行われて
いる。
M資金を扱った映画では、2011年5月に『日輪の遺産』を紹
介しているが、本作はその続きと言って良いような作品だ。
一応、架空事件物ということで、SFの範疇にも入る作品だ
が、SF映画とするには多少躊躇してしまう。それはあくま
でも僕の感覚的なものだが、大嘘ならもっとでっかく吐いて
貰いたいというか、何か妙な後ろめたさが作品に感じられる
せいかもしれない。その辺で多少物足りない感じはある。
でも日本映画にしてはスケールの大きな作品だし、何とか頑
張って欲しいものだ。

『ホワイトハウス・ダウン』“White House Down”
今年4月紹介『エンド・オブ・ホワイトハウス』に続いて、
米大統領府ホワイトハウスがテロリストに襲撃されるお話。
『エンド・オブ・ホワイトハウス』と7月紹介の『レッド・
ドーン』の敵役が続けざまに北朝鮮だったので今回はどうか
なと思ったら、さすがに違う相手だった。
そのホワイトハウスの主は反戦主義の大統領で、彼は世界の
平和に向けて確実に歩み続けていたが、国内の特に軍人や軍
需産業に関係する国防族からは眼の敵にされる存在だった。
その大統領が国際会議でまた平和への一歩を進め専用ヘリで
官邸に帰ってくるところから物語は始まる。
一方、大統領府には1人の男性が面接に訪れていた。議会警
備官の彼は元海外派兵の兵士で、戦場の経験を活かしたいと
願う彼は、大統領を警護するシークレットサーヴィスを目指
していた。しかし面接では戦場での優秀さに比べて議会警備
での評判の悪さが指摘され、採用は拒否されてしまう。
それでも女性秘書官から大統領府の入館証を2枚手に入れた
彼は、離婚した妻の許にいて彼とは疎遠になりつつある娘を
見学に誘う。彼女はホワイトハウスオタクで、現大統領は彼
女にとってヒーローだった。こうして父娘は大統領府の見学
ツアーに参加するが…。
4月の作品では軍隊による緻密に計算された襲撃だったが、
それに比べると本作の襲撃はかなりラフな感じがした。でも
まあそれなりのアクションで展開されると、これも起きない
とは言い切れないものにはなっている。特に国内からの襲撃
は可能性も高そうだ。
そして対抗するのは、4月の作品が元シークレットサーヴィ
スで館内に詳しかったのに対して本作は部外者。しかしその
分、観客にも判りやすく説明されるし、過去の映画や都市伝
説的な情報も登場したりして、興味を繋ぐことは周到に行わ
れていた。
出演は、ジェイミー・フォックスとチャニング・テイタム。
他にマギー・ギレンホール、4月紹介『欲望のバージニア』
などのジェイスン・クラーク、2011年5月紹介『モールス』
などのリチャード・ジェンキンス、ジェームズ・ウッズらが
脇を固めている。
『アメイジング・スパイダーマン』などのジェームズ・ヴァ
ンダービルト野脚本から、『2012』などのローランド・
エメリッヒが監督した。
実はすでに公開されたアメリカでの評判が芳しくなくて、心
配しながら観に行ったが、最後にかなり感動的なシーンを置
くなど、なかなか巧みに作られた作品だった。タイミング的
に二番煎じのそしりは免れないが、これはこれでアクション
映画としては面白い作品だったと言える。

『ビザンチウム』“Byzantium”

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07月30日(火)
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