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On the Production
by 井口健二
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■未来はボクらがつくるんだ、死霊のはらわた、絶叫学級、ゾンビ・オリンピック、フィギュアなあなた、桜姫、クロユリ団地
戻る可能性など、いろいろ捻った展開もあり、それなりに楽
しめた。
主人公カップルの妻役ジョアンナ・ミッチェルの原案から、
夫役のドミニク・ブラントが監督。脚本はマーク・イリスと
いう人が担当しているが、この3人は1972年から続くイギリ
スの長寿番組“Emmerdale Farm”の俳優と脚本家のようだ。
また製作総指揮を、2011年1月紹介『コリン』の監督マーク
・プライスが担当している。
『アンデッド・ウェディング』“A Little Bit Zombie”
カナダ代表。結婚を1週間後に控え、妹夫婦と式の打ち合わ
せで山荘にやってきたカップルの男性が巨大な蚊に刺されて
ゾンビ化してしまう。しかし何とか普通の生活も営める彼は
結婚式を挙行できるよう頑張るが…。コメディタッチの作品
だが、設定もそれなりに踏まえられていて楽しめた。
出演は、カップル役にテレビに出ているクリストファー・タ
ーナーと2002年『インソムニア』などのクリスタル・ロウ。
他に2011年6月紹介『復讐捜査線』などのショーン・ロバー
ツ、2008年『ウォンテッド』などのクリステン・ヘイガーら
が共演している。
脚本は、本作が第1作のトレヴァー・マーティンとクリスト
ファー・ボンディ。監督は主にテレビで活躍しているケイシ
ー・ウォーカーが担当。
『ゾンビ・クエスト』“Zombibi”
オランダ代表。アムステルダムの高層ビルに宇宙ステーショ
ンが墜落し、そこから滴った緑の液体に触れた人間がゾンビ
化する。そしてそのビルに取り残されたガールフレンドを救
出するべく主人公の活躍が始まるが…
高層ビルに墜落した宇宙ステーションなど、VFXはそれな
りに仕上げられているが、ゾンビ化の設定が曖昧で、しかも
コメディなのかアクションなのかも不明確で、今一つ話に乗
れなかった。
『レイプゾンビ2&3 LUST OF THE DEAD アキバ帝国の逆襲』
そして日本代表は、2009年6月紹介『吸血少女対少女フラン
ケン』の友松直之監督作品。
題名からすると『1』があるようで、検索したら昨年3月に
同じ友松監督作品で73分のDVDが発売されていたようだ。
しかしその概要を読んでもゾンビ化の理由付けなどはなされ
ていなかったようで、それなら本作の最初にもそれなりの経
緯は説明されていたから、本作だけでも問題なく鑑賞できる
作品となっていた。
そのお話は、生身の女性に興味の無いアキバ系オタクを除く
世界中の男性が性欲ゾンビと化してしまうというもの。しか
もそのゾンビに犯された女性は死んでしまうという。このた
め世界中の男性は抹殺され、男性人口は激減する。
ところが、オタク文化の本拠である日本だけは男性の減少を
免れ、この事態に暴走した北朝鮮は核ミサイルを東京に向け
発射。しかし廃墟と化した東京でしぶとく生き残ったオタク
たちはゾンビを手懐け女性狩りを開始する。
こういう状況の中で、何故か正常のまま生き延びた男性や、
アメリカ軍が派遣した女性型のアンドロイド兵器などが入り
乱れて、エログロ・ナンセンスな物語が展開されて行く。
脚本は、友松監督と2010年頃からVシネやピンク映画の作品
を手掛けている百地優子。出演は、前作から引き続いての小
沢アリスと亜紗美。
廃墟と化した東京の景観などはそれなりに描かれていたし、
またアキバ系オタクに対する考察なども意外と面白く、社会
風俗に関する面ではそれなりに参考になるところもあった。
ただそれを上回るエログロの描写は流石に辟易としてしまう
ところで、これ無しで何とかならなかったかとも思ったが、
まあそれを売りにしなければならないのが現状かな。
以前にもアダルト系の作品で、それなりにSF的考察のなさ
れた作品も観たことが有り、こうした中から何かが生まれて
くることも期待したいものだ。
以上の4作品が、「ゾンビ・オリンピック」と称して公開さ
れる。

『フィギュアなあなた』
2010年8月紹介『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』などの
石井隆監督が、1992年に発表した自作の短編劇画『無口なあ

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04月20日(土)
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