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On the Production
by 井口健二
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■桃さんのしあわせ、高地戦、秋瑾〜競雄女侠〜、のぼうの城、ザ・レイド、ウォリスとエドワード+Avengers, Justice League, Jumanji
戦ではその様相も全く異なる。その状況の許で忍城軍は知力
を尽くして圧倒的な敵との戦いに挑むのだ。
さらにそこには、全長28kmの堤をわずか5日で築いたとされ
る石田三成の水攻めなど、大スケールの戦略も登場する。因
に、忍城は明治期に取り壊されたが、堤の一部は石田堤の名
で現存しているようだ。
出演は、8年ぶりの映画主演となった狂言師の野村萬斎。他
に榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、佐藤浩市。さらに上地雄
輔、山田孝之、市村正親、鈴木保奈美、前田吟、芦田愛菜ら
が脇を固めている。
物語はさすがに本屋大賞第2位の実力を示すもので、当時の
状況説明なども巧みに解り易く描かれている。ただしそれを
肉付けする人間ドラマがあまりにステレオタイプで、単純な
アクションドラマならそれでも良いが、本作では多少物足り
なかった。
その割には上映時間が2時間半近くあるもので、ここはやは
り原作本と同じく上下2部作にするくらいの気持ちでよかっ
たのではないかな。そんな無い物ねだりもしたくなった。

『ザ・レイド』“Serbuan Maut”
昨年のトロント国際映画祭でミッドナイト・マッドネス部門
の観客賞を受賞。評論家たちの高い評価も受けて全米公開が
実現。続編やハリウッド・リメイクの計画も発表されている
インドネシア製アクション映画。
物語の舞台は、ジャカルタに建つ古いアパート。そこは悪の
巣窟として知られ、中には麻薬工場も作られ、住民の多くは
最上階から睨みを効かすボスの言いなりだ。そんな建物に警
官隊が突入する。その目的はボスの逮捕だったが…。
何故か動員されたのは車両1台分の、しかも隊員は新人ばか
りだった。その作戦の真の目的は? 果たして彼らはボスを
逮捕し、無事建物から脱出することはできるのか? 彼らの
前には史上最悪の地獄が待ち構えていた。
出演は、本作のアクション・コレオグラファーも務めるイコ
・ウワイスとヤヤン・ルヒアン、それにドニ・アラムシャ。
彼らはいずれもインドネシア古来の武術プンチャット・シラ
ットのプロパフォーマーで、本作には彼らの技が存分に描か
れている。
他に、柔道の国内チャンピオンでモデルや俳優も行うジョー
・タスリム、インドネシア映画界のベテラン俳優レイ・サヘ
タピーらが脇を固めている。
監督は、ウェールズ出身のギャレス・エヴァンス。エヴァン
スは2007年にドキュメンタリー映画の製作でインドネシアを
訪れ、その際に出会ったウワイス、ルヒアンの技に魅せられ
て長編映画の製作を発案、本作はその第2作となっている。
さらに第3作として本作の続編も決定しているようだ。
物語の舞台はほぼ建物の内部に限定されて、それはある種の
ソリッドシチュエーションのような興味も引き出す。そして
そこには抜け道などの仕掛けも施され、それはゲーム感覚の
面白さにもなっている。
そんな中で、世界50カ国の軍隊などで採用されているという
武術プンチャット・シラットの妙技が披露されるものだが、
それは必要に応じて拳銃や短剣などの武器も繰り出す実践的
なもので、日本公開はR15+指定になるほどの、かなり強烈な
ものにもなっていた。
ただプロパフォーマーたちによる組手自体は、かなり様式化
されている感じもしてしまったもので、特にクライマックス
の3人での闘いは、リアルさより華麗さが目立つ感じになっ
ていた。もちろん映像的にはそれで良いのだが。
なお、原題はインドネシア語のものを表記したが、国際英題
は“The Raid: Redemption”となっている。因にトロントで
は“The Raid”のみで上映されたが、この題名には先に登録
があったことと、将来のシリーズ化も考慮して変更されたそ
うだ。

『ウォリスとエドワード』“W./E.”
2011年1月紹介『英国王のスピーチ』でも紹介された英国王
エドワード8世とアメリカ女性シンプソン夫人との英国王冠
をかけた恋を、夫人の側から描く2008年10月紹介『ワンダー
ラスト』のマドンナ脚本、監督による作品。
英国皇太子エドワードとウォリス・シンプソンとの恋愛は、

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08月19日(日)
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