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On the Production
by 井口健二
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■ラスト・ソルジャー、シチリア!シチリア!、リミット、神の子どもたちはみな踊る、カウントダウンZERφ、Looney Tunes+製作ニュース
それが最初に書いた2つの出来事で自己の存在意味を見失っ
た当時の人々の心情を描いているようだ。
出演は、ニューヨーク大芸術学部で学び現在は教鞭も取って
いるというジェイスン・リュウ、『ツイン・ピークス』など
のジョアン・チェン。それに、ナスターシャ・キンスキーの
娘で本作が映画デビューのソニア・キンスキー、香港生れで
『ラッシュアワー』シリーズなどのツィ・マーらが共演して
いる。
脚本は2006年8月紹介『エリー・パーカー』などのスコット
・コフィ、監督はCMなどを手掛け本作が長編デビュー作の
ロバート・ログバル、また製作には2009年8月紹介『脳内ニ
ューヨーク』などのシドニー・キンメルと、2007年1月紹介
『バベル』などのスティーヴ・ゴリンが当っている。
原作は上記の状況下での人々の曖昧模糊とした感じが描かれ
た作品とのことで、その映画化も掴み所がない感じのものに
なっている。ただ映画化では舞台をアメリカに移しており、
1995年というよりは現代にも通じる作品に仕上がっている感
じだ。
上映時間は85分であまり長くはないが、何か不思議なムード
の漂う作品で、原作のファンにはそんな雰囲気を楽しむこと
もできそうだ。

『カウントダウンZERφ』“Countdown to Zero”
『不都合な真実』で2007年アカデミー賞の長編ドキュメンタ
リー部門を受賞した製作スタッフが、今回は核兵器廃絶につ
いて描いたドキュメンタリー。
オバマ大統領は今年5月に核削減計画を発表したが、本作で
は、広島・長崎に至る核兵器開発の歴史から、核兵器テロの
可能性、さらには核拡散によって人類が直面している危機的
な現状などが判りやすく説明されている。
ただ、作品の最終的なテーマは核廃絶のはずだが、本作では
テロリストによる核攻撃の可能性から説き起こし、その恐ろ
しさが身近に理解されるよう巧みに展開されている。そこに
は多少の論点のすり替えもあるが、内容の重大さを考えると
それも許容の範囲だろう。
特に、オウム真理教がロシアの核兵器の購入を目論み、実際
にロシアの関係者と接触までしていたという事実は、日本人
にも他所ごとではなく感じさせるところで、この部分は日本
での宣伝には是非有効に利用して貰いたいものだ。
このようにテロから説き起こされた作品は、続いて核物質の
ずさんな管理について描く。つまり現状では兵器となる量の
核物質の製造は国家レヴェルの事業だが、その管理のずさん
さが個人でも必要な量を入手できる現実を描き出す。
そしてこの辺りまではテロリストとの関係も含めた話だが、
そこから本作では、北朝鮮やイランなどの国家による核拡散
の問題を描いて行く。つまりここからが本来のテーマである
核兵器の廃絶の話になるのだが、そこまでの展開が実に判り
やすく描かれていた。
それに続いて本作では、1963年の映画『博士の異常な愛情』
を引き合いに偶発的な核戦争の危険についても描く。ここで
は人為的なミスから自然現象、マイクロチップの不具合まで
様々な実例が示されるが、それは正に核戦争が起きなかった
ことの方が偶然と言えるものだ。
というように核の危険性及びその廃絶を訴える作品だが、そ
の間にはカーター元アメリカ大統領、ゴルバチョフ元ロシア
大統領を始め、ムシャラフ元パキスタン大統領、ブレア元イ
ギリス首相、デクラーク元南ア大統領など様々な証言者が、
今なすべきことを語り掛けている。
日本は人類史上唯一の核兵器による攻撃を受けた国家だが、
その現状は、核兵器に対して最も無関心な国民及び政府のい
る国でもありそうだ。そんな日本人の目を覚ます切っ掛けに
もなって欲しい作品だ。

“Looney Tunes”
8月15日付でワーナーの新作に短編アニメーションが併映さ
れていることを紹介したが、『キャッツ&ドッグズ』に併映
されていたのは“Coyote Falls”という題名の作品だった。
そして9月12日付で紹介した『ガフールの伝説』にも“Fur
of Flying”という作品が併映されている。

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09月26日(日)
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