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On the Production
by 井口健二
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■パートナーズ、Ricky、大奥、君へのメロディー、アイルトン・セナ、アメリア、ガフールの伝説、人生万歳
そこには交通事故で心や身体に傷害を負った人たちが一緒に
暮らしていた。
こうして傷害を負った人々と一緒に過ごすようになった主人
公だったが、そこにはいろいろな問題が影を潜めていた。
という物語の展開に、フラッシュバックなどがいろいろ挿入
されて、多少はトリッキーな作品に仕上げられている。ただ
まあ時間軸を入れ替える手法は最近の映画の流行りでもある
し、見馴れていればこの結末は多少の捻りはあっても予想の
範囲だろう。
つまり僕としては最初に書いたようにBL物でなかったほう
が驚きだったかも知れない感じだが、でも久々の純愛ものと
いうことでは、出演者もそれぞれ頑張っていたし、共演陣も
そこそこで悪い作品ではなかった。
出演は、『テニ王』出身で本作が映画初主演の佐藤永典、同
じく『テニ王』出身で本作が映画デビューの佐々木喜英、モ
デル出身で今年7月紹介『おにいちゃんのハナビ』に出演し
ていたという岡本玲。特に佐藤は、ピアノの演奏や岡本との
連弾なども披露している。
他に、渋江譲二、落合恭子、貴山侑哉、江口のりこ、霧島レ
イカ、小木茂光らが共演。
脚本は、2007年9月紹介『コンナオトナノオンナノコ』など
の佐藤有記、監督は昨年2月紹介『虹色の硝子』などの横井
健司が担当している。
作品のテーマは純愛なので、この後の記述は末節になるが、
このような傷害を持つ人たちを集めていての、ペンションの
オーナーの準備の無さには多少の疑問も感じた。でもまあ、
現実はこんな程度なのかな…とも思えたが。
『アイルトン・セナ−音速の彼方へ−』“Senna”
1994年5月1日、34歳の若さでこの世を去ったブラジル出身
F1レーサー=アイルトン・セナの生涯を、彼の死後に設立
されてブラジルの貧困家庭に対する教育援助を行っている慈
善団体アイルトン・セナ財団の全面協力の許に描いたドキュ
メンタリー。
1960年3月21日、サンパウロの資産家の家庭に生まれたセナ
は、4歳でレーシングカートを始めてヨーロッパでのカート
選手権などにも出場。やがて20歳で再度ヨーロッパに渡り、
F1レーサーを目指した活動を開始する。
そして1984年、弱小のトルーマン・チームからデビューした
セナは、6戦目のモナコGPで並み居る強敵の中、予選は13位
でスタートするものの、次々に先行車を追い抜き、瞬く間に
2位に上り詰める。
ところが32周目、トップのアラン・プロストに追い付いたと
ころでレースは豪雨を理由に突然の中止、セナはプロストを
抜くチャンスを与えられぬまま1位の座を逃す。それは以後
のセナが死ぬまで続くプロストとの因縁の始まりとなった。
こうして1994年5月1日までのセナの足跡が、当時登場した
ばかりのオンボードカメラを含むレースの映像や家族が撮影
したプライヴェートの映像と、当時のセナ本人の発言や関係
者の証言などと共に綴られて行く。
なお映像はアーカイブのみで、それに対する証言などの音声
は全てナレーションの形式で挿入され、正に当時の模様が再
現される仕組みとなっている。つまり映像では当時の様子の
みが写し出されているものだ。
そしてそこに写し出されるのは、政治や国籍に振り回され、
思い描いた通りの夢の世界には居られなかったセナの悲劇と
も言える。さらにそこには、ライヴァルだったプロスト及び
FISA会長ジャン=マリー・バレストルに対するかなり辛
辣な表現もされていた。
それはもちろん、本作がセナ寄りに描かれた作品であること
にもよるが、政治という表現でプロストとバレストルの徒な
らぬ仲にも言及する辺りは、今後に問題を残しそうな雰囲気
も漂うものだ。
因に本作は、今年完成されたばかりの映画で、日本では10月
8日から世界最速での先行公開が予定されている。また、こ
の映画の興行収益の一部はアイルトン・セナ財団に寄付され
るとのことだ。
『アメリア−永遠の翼』“Amelia”
1937年、成功すれば史上初となる航空機による世界一周、そ
の最後の関門であったパプア=ニューギニアから太平洋上の
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09月12日(日)
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