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On the Production
by 井口健二
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■サイタマノラッパー2、結び目、氷雪の門、バウンティー・ハンター、アムステルダム国立美術館+製作ニュース
どを絡めて描かれる。さらに、ミニチュア特撮によるソ連艦
船の航行や砲撃による町の破壊の様子が描かれる。
出演は、二木てるみ、岡田可愛、藤田弓子、木内みどりらが
交換手を演じる他。若林豪、黒沢年男、南田洋子、千秋実、
赤木春恵、栗田ひろみ、浜田光夫、織本順吉、久米明、丹波
哲郎、田村高廣、島田正吾らが共演。
元北海タイムズ記者・金子俊男の原作から、1961年『怪談蚊
喰鳥』や1970年『富士山頂』などの国弘威雄が脚本を執筆。
1957年『透明人間と蠅男』やテレビ『ザ・ガードマン』など
の村山三男が監督した。
戦争の悲劇を描いた作品ではあるが、特に自分の世代には、
主人公の交換手たちを演じている当時の人気若手女優たちの
姿が懐かしく楽しめる作品でもあった。また陸上自衛隊の全
面協力による映像や、ミニチュアワークにも懐かしさが感じ
られた。
ただ事件そのものは、調べるといろいろ裏があるようで、実
際に自決した9人以外の交換手は無事に帰還しているなど、
自決自体が誤った判断の結果であった可能性は拭えない。こ
のことは映画でも仄めかされてはいるが、曖昧にされている
ような印象も受けた。
その他の描写でもソ連軍の行動に関しては疑問に感じる部分
もあったし、中には20日より後に起きた事件があえて言及さ
れていたりもしていたようだ。その辺が当時のソ連当局の癇
にも障ったのだろう。
それに製作総指揮として、この映画の製作当時に郵政大臣を
務めていた三池信が名前を連ねていたのも、国策映画とする
ソ連の主張を覆せなかった理由とも考えられる。それらの理
由により、この映画は一般公開が中止されたものだ。
ただ、この悲劇が起きたことは事実ではあるし、その原因が
どこにあるにせよ、その事実は伝えるべきものだろう。その
意味では貴重な作品と言えるものだ。
『バウンティー・ハンター』“The Bounty Hunter”
2006年4月紹介『迷い婚』などのジェニファー・アニストン
と2008年6月紹介『P.S.アイラヴユー』などのジェラル
ド・バトラー共演によるアクション・ラヴコメディ。
バトラーが演じるのは、元は優秀な警官だったが何故か退職
し、今は保釈中の逃亡者などを捕えてはその保証人から報奨
金を得るバウンティー・ハンター。そんな男が新たに依頼さ
れた逃亡者は、退職時に別れた元妻だった。
その元妻は、アニストン演じる敏腕な新聞記者。彼女は警察
関係者の自殺事件に疑問を持ち調査を進めていた。そんな彼
女は自ら起こした交通事故で裁判所に召還されていたが、そ
こで重要な情報が入り裁判をすっぽかしてしまう。
こうして被告人不在のままの裁判で執行猶予を取り消された
彼女は、バウンティー・ハンターの標的になってしまったの
だ。しかもハンターの元亭主は彼女の行動を読み切って、彼
女を簡単に捕えてしまうのだが…
という2人の物語が、自殺事件の調査に絡むカーチェイスな
どのアクションと共に描かれて行く。しかもその展開では、
互いを良く知る2人が互いの裏を掻いたり、相手の行動を読
み切ったりの虚々実々の手段で、それぞれの目的に向かって
行くものだ。
共演は、2008年『マンマ・ミーア!』などのクリスティー・
バランスキー、2006年『幸せのセラピー』などのジェイスン
・サダイキス。
監督は、2008年4月紹介『フールズ・ゴールド』などのアン
ディ・テナント、脚本は、2004年8月紹介『ツイステッド』
などのサラ・ソープ。そして製作が、アイデア一杯の小品か
ら大作までアクション映画で手腕を発揮するニール・H・モ
リッツ。
本作は大作と呼ぶほどの規模の作品ではないと思うが、バト
ラーとアニストンが見事に填った役柄で、共に1969年生まれ
の男女の関係もなるほどと思わせる展開で進められて行く。
しかもアクションもユーモアも満載という、誰でも楽しめる
作品になっていた。
さらにニューヨークのクイーンズ、ブルックリン、アトラン
ティック・シティなどで撮影された風景も楽しめる。因に、
映画に登場する保釈金立替業社のオフィスは、クイーンズに
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05月16日(日)
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