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On the Production
by 井口健二
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■昴、サスペリア・テルザ、グラン・トリノ、カンフーシェフ、刺青奇偶、ストリートファイター/チュンリー、エンプレス
ができたことはない。そして偶然香港の料理店に居合わせた
若者は、そのまま料理人の弟子となってしまう。
その料理店は若い姉妹が店主を務めていたが、シェフの人材
に恵まれず、店の先行きも怪しい状態だった。そこに現れた
料理人は弟子を鍛えながら店を立て直して行くが…シェフの
座を奪われた連中からの反撃も受けることになる。
この店主姉妹の妹を加護が演じ、姉をアンディ・ラウ作品な
どに出演のチェリー・リン。他に『カンフー・ハッスル』の
ラム・ジーチョンやブルース・リャン、さらにサモ・ハンの
長男のティミー・ハン、『少林キョンシー』のルイス・ファ
ンらが脇を固める。
サモ・ハン、ヴァネス・ウー、ルイス・ファンらの激しいカ
ンフーアクションと共に、映画の後半には『料理の鉄人』の
ような料理対決も登場して、中国料理人の華麗な手捌きなど
も披露される。そんな手練の技が存分に堪能できる作品とい
うところだ。
ただお話の方は如何にも取って付けたようで、特に料理シー
ンとカンフーシーンが完全に遊離してしまっているのは残念
なところ。でもまあ、それが香港映画だということでは、今
も昔も変わらないサモ・ハンが観られるところでもある。
なお、加護も頑張っているが役柄は中国人とのことで、音声
は全て中国語に吹き替えられている。口許は日本語を喋って
いるようにも観えたが、できたら彼女の声も聞きたいファン
も多いところだろう。
彼女の声を活かした日本語吹き替え版は出来ないのかな?

『刺青奇偶』
シネマ歌舞伎の第10作。ここで紹介するのは昨年8月に1作
と12月に紹介したのが2作分で4作目となるが、落語2作と
舞踊の後は、長谷川伸原作の世話物となった。
物語は、遠くに江戸の空を臨む下総行徳。そこの船着き場で
若い女が身を投げる。それを救ったのが博徒の男。男は江戸
を追われてこの地に流れてきたものだが、同じような境遇の
女の身の上に心を乱され、女に財布を渡して勇気づけようと
する。
しかし女は、今までの人生で体目当ての男としか出会ったこ
とがなく、金だけ置いて行こうとする男の心情が判らない。
そんな男の後を女は追い掛けて行くが…
やがて夫婦となった2人だったが、男は生来の博徒で、金は
賭博に注ぎ込むために日々の生活もままならない。それでも
男に寄り添う女だったが、ついに苦労が祟って医者も見放す
病となってしまう。
そして、死期を悟った女は男の二の腕に賽子の刺青を彫り、
男に博打から足を洗うよう説得するのだが…。そんな切ない
男女の仲が、中村勘三郎と坂東玉三郎の共演で繰り広げられ
る。
賭博を止められない男など自業自得だし、それと一緒に暮ら
す女も五十歩百歩だが、そこに至る経緯などが絶妙に語られ
て、心に染みる男女の物語が描かれる。今さら聞いたような
話と思いつつも、心を打たれてしまうところだ。
特に玉三郎が演じる女は、美しさ妖麗さが持て囃されるもの
とは違って、しっかりと足を地に付けたリアルさで演じられ
ており、その儚い美しさには、成程これが歌舞伎の女形だと
思わされもした。
他に、片岡亀蔵、市川高麗蔵、片岡仁左衛門らが共演。特に
仁左衛門の親分振りが少ない出番で光っていた。いつもなが
ら、こういう芝居がシネマとなって、地方でも手軽に観られ
るようになるのは良いことだ。
因に、題名は「いれずみちょうはん」と読ませるが、本来は
ちょう(丁)が偶数ではん(半)は奇数。しかし文字の座り
や一般的な呼びやすさなどから、原作者の希望で敢えて誤読
となっているそうだ。

『ストリートファイター/レジェンド・オブ・チュンリー』
       “Street Fighter: The Legend of Chun-Li”
1987年に第1作が発表され、以来15種が発表されたシリーズ
の累計で2500万本以上を販売、対戦型格闘ゲームの元祖とも
呼ばれるヴィデオゲームを映画化した作品。
同ゲームからは、1994年にスティーヴン・E・デスーザ脚本
監督、ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演による映画化が

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02月08日(日)
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