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On the Production
by 井口健二
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■第129回
る可能性がありそうだ。それに3Dという目新しさも権利者
には良いアピールになる。
ということで、“John Carter of Mars”の3D映画化が
期待できそうだが、そうなると監督はロバート・ゼメキスと
なるものかどうか、『ロジャー・ラビット』や『バック・ト
ゥ・ザ・フューチャー』、それに『コンタクト』のゼメキス
なら、最適任という感じもするところだが…
なお、ピクサー=ディズニー関連の情報では、前回も紹介
した“Toy Story 3”の脚本に、『リトル・ミス・サンシャ
イン』を手掛けたマイクル・アーントが契約したことも発表
されている。同作ではアカデミー賞の候補にもなっている脚
本家には期待したい。
ただし、シリーズの前2作を手掛けて、昨年『カーズ』で
監督に復帰したピクサー代表のジョン・ラセターは、今回は
直接タッチしないとのことで、監督は別人になるようだ。ま
たトム・ハンクス、ティム・アレンらの声優たちは、先にデ
ィズニーが計画を進めた時点ですでに出演が了承されていた
もので、今回の計画変更でもそれはOKのようだ。
因にピクサー作品では、前回紹介した“WALL-E”の計画が
2008年6月27日公開とされており、“Toy Story 3”の公開
予定は2009年6月となるものだ。
* *
没後18年を経た今でも、日本を含めた世界中で人気の高い
超現実派の画家サルヴァドール・ダリの伝記映画が3本計画
されている。
その1本目は、『ロード・オブ・ウォー』などのアンドリ
ュー・ニコル監督による“Dali & I: The Surreal Story”
という作品で、ダリの画商だったスタン・ロウリーセンとい
う人の自叙伝に基づき、画家晩年の最も超現実的だった時期
を描くというもの。監督が2002年に発表した『シモーヌ』に
主演していたアル・パチーノが画家を演じて、6月開始で、
ニューヨークやスペインで撮影を行うとなっている。
2本目は、1988年にアラン・アーキンが主演した『キャプ
テン・ザ・ヒーロー』などのフィリッペ・モラの監督による
“Dali”で、モラ監督が2年前から写真家のロバート・ウィ
ティカーと共に準備を進めてきたというもの。ウィティカー
の撮影による数1000枚のダリの写真が参考にされている。ま
た、先輩画家ピカソとの関係も含めた画家の生涯を描くとい
うことで、この作品も6月に製作が開始され、プラハ、バル
セロナ、ニューヨークでの撮影が予定されている。
そして3本目は、製作者のデイヴィッド・パーマットが、
これも2年ほど前から進めていた“Goodbye Dali”という作
品で、この作品は、1995年製作の“Miami Hustel”という作
品に出演歴のある俳優のアラン・リッチが、若い頃の画商を
していた時期に実際にダリと過ごした日々をコミカルに描く
というもの。2004年にリッチがヤニフ・ラッズと共に執筆し
た脚本を映画化するもので、2005年10月にパーマットが計画
を発表していた。
以上の3本は、それぞれ作品の傾向は違うようだし、それ
ぞれの製作者たちも画家に対する見方が違えば作品は別のも
のになるとして、お互いの調整はまったく考えていないよう
だが、観客としては、どれを観るべきか悩むところだ。
ヒッチコック監督の『白い恐怖』の幻想シーンに作品が登
場したり、『ミクロの決死圏』の宣伝にも協力した画家は、
いろいろと映画人の興味を引くようだ。
* *
第117回で紹介した“Rush Hour 3”にも出演のロマン・ポ
ランスキーが、次回の監督作品として、製作費1億3000万ド
ルを要するとされる“Pompeii”の準備を開始した。
この作品は、ロバート・ハリスの原作小説を映画化するも
ので、ローマ時代を背景にヴェスヴィオス火山噴火の前後を
ドラマティックに描いたスリラーとされている。主人公は、
ローマ帝国が建設した水路の修理を依頼された若い職人。と
ころが彼は、仕事をして行く内に、自分が政治とロマンスの
網に絡まれていることに気付く…というもの。そして物語は
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02月15日(木)
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