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On the Production
by 井口健二
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■タイドランド、ゴーヤーちゃんぷるー、初恋、アローン・イン・ザ・ダーク、迷い婚、恋は足手まとい、ゆれる、春の日のクマは好きですか?
物が登場してそれとの死闘が繰り広げられるのだが…
まず最初に、災厄を復活させようという禁断の実験を行った
博士の意図がよく判らない。しかも、封じられている存在と
の関係も不明で、結局のところ物語の全体が意味不明のもの
になってしまっている。
多分ゲームは、エイリアンもどきを倒し続けるアクションゲ
ームなのだろうから、設定などはどうでもいいのだろうが、
映画はそうは行かない。辻褄の合う物語が必要なのだが…僕
には、その辻褄を合わせる物語が思い浮かばなかった。
出演は、クリスチャン・スレーター、タラ・リード、スティ
ーヴン・ドーフ。そこそこ知られた名前が並ぶし、明らかに
ミスキャストのリードは、ラジー賞の候補にもなったという
ことだ。つまりそれなりに注目作だったもので、それでこの
体たらくは、アメリカでの酷評も判る気がするものだ。
とは言うものの、ボルはゲーム原作映画化の大量生産の体制
を整えているようで、暫くはそれにつきあうことになりそう
だ。まあ、以前に紹介した『ブラッドレイン』はそこそこに
仕上がっていたし、それなりの期待は持ちたい。
本作も、設定のいい加減さを無視(!)すれば、713部隊
の突入のシーンなどはそれなりの迫力で演出されていたし、
アクションだけを見るならそこそこだろう。特に、相手構わ
ず撃ちまくるというゲーム感覚は、映画でも充分に描かれて
いたと思える。
ただし、映画の内容と題名とには違和感があり、ゲームの設
定は多少違うのかも知れないという疑問も湧く。それと、結
末がちゃんと描かれていないのは、何かタブーでもあるのだ
ろうか。
『迷い婚』“Rumor Has It...”
1967年の名作『卒業』をモティーフに、実際の噂(?)を基
に作られた物語。
主人公は、ニューヨークで新聞の死亡記事を執筆している女
性ライター。弁護士の婚約者がいるが、結婚や新家庭に夢を
抱けない。そんな彼女が、もう一つ違和感のあるパサデナの
家族の許に、妹の結婚式のため婚約者と共に帰省する。
その町は、1963年に発表された小説『卒業』の舞台となった
場所。そしてそこには、あの小説にはモデルとなった家族が
あるという根強い噂があった。そんな町に久しぶりに帰って
きた主人公は、既に亡くなった母親が、自身の結婚式の直前
に失踪したことがあるという事実を知る。
ひょっとして自分の家族は、その小説のモデルなのか?
そして家族とは性格の全く違う自分の本当の父親は…?
自らの結婚への自信と、納得できる家庭を築くために、彼女
はその謎を解かなければならなくなる。
主演はジェニファー・アニストン。他にロビンソン夫人かも
知れない祖母にシャーリー・マクレーン、ベンかも知れない
男にケヴィン・コスナー。さらに父親をリチャード・ジェン
キンス、妹をミーナ・スヴァーリ、婚約者をマーク・ラファ
ロ。
映画では、ダスティン・ホフマンとアン・バンクロフトの有
名なシーンも挿入されるし、サイモンとガーファンクルの楽
曲も流される。他にもトリヴィア的な話題も登場するし、オ
リジナルを知っている者にはいろいろと楽しめる作品だ。
特に、意外な「ベン」の実像も笑わせるし、それを巡るマク
レーンとコスナーの対決シーンも良い。また本作は、年齢の
設定上、時代背景を1997年にしているが、それも絶妙という
感じがした。
しかし本作の宣伝では、『卒業』のことは表立ってアピール
されていない。日本の映画ファン相手では、なかなか過去の
名作のことは宣伝に使えないようだ。過去の名作を見られる
機会の少ない日本の現状では仕方のないところでもあるが、
これで『卒業』を判っている年代に見過ごされてしまうのは
残念なことだ。
『卒業』を見た人には、本当に面白い作品だということを声
を大にして言っておきたい。
『恋は足手まとい』“Un fil à la patte”
エマニュエル・ベアール主演の艶笑コメディという言い方が
ピッタリのフランス映画。
舞台は19世紀末のパリ。べアール扮する裕福な歌姫リュセッ
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04月14日(金)
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