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On the Production
by 井口健二
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■第84回
もので、面白い展開を期待したい。なおこの他に、ペンギン
ブックスからは原作本の表紙の変更、また玩具メーカーのフ
ァンライズトイからは、模型セットやフィギュア、ゲームの
発売も予定されているようだ。
        *         *
 先日のアカデミー賞で2度目の主演女優賞に輝いたヒラリ
ー・スワンクが、ジョール・シルヴァ、ロバート・ゼメキス
主宰によるホラー専門プロダクション=ダーク・キャッスル
の作品に主演することが発表された。
 この作品は“The Reaping”と題されているもので、宗教
の関わるいろいろな謎を解き明かすスペシャリストの女性を
主人公にした物語。本作では、この女性が宗教的な10の災厄
に襲われたテキサスの小さな町に、その調査に訪れるところ
から、お話が始まるということだ。ブライアン・ルーソのオ
リジナル脚本を、チャド&カーリー・ヘイズがリライトし、
2003年にヴァル・キルマーが主演した“Wonderland”のジェ
ームズ・コックスが監督する。
 因みに、1999年に発足したダーク・キャッスルでは、ほぼ
年1作の割合で作品を製作しているが、2003年にはオスカー
受賞直後のハリー・べリー主演で“Gothika”(ゴシカ)を
発表しており、今回のスワンクといい、本当に女優の気持ち
を掴むのが巧いようだ。
        *         *
 昨年再公開された『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』
や『ジャイアント・ピーチ』などで知られる人形アニメーシ
ョン監督ヘンリー・セリックが、所属しているヴィントン・
スタジオのスタッフと共に、“The Wall and the Wing”と
題された児童向け小説のCGアニメーション化を手掛けるこ
とが発表された。
 この原作は、2006年にハーパーコリンズから出版される予
定のもので、魔法を使った冒険物語と紹介されているが、セ
リックの発言によると、長編映画化するのにピッタリの作品
だということだ。ただし、原作者の名前は、今回の報道では
紹介されていなかった。
 因みにヴィントン・スタジオは、1974年のアカデミー賞短
編アニメーション部門を受賞した粘土を使ったアニメーショ
ン=クレイメーション作品“Closed Mondays”などのウィル
・ヴィントンが創始したアニメーションスタジオで、その後
は1985年にディズニーが製作した“Return to Oz”(オズ)
などにも参加して一世を風靡したものだが、近年はテレビの
番組中で公開される作品などの製作が中心で、大きな作品は
手掛けていなかったようだ。
 しかし2003年に、前Nikeの社長だったフィル・ナイト氏が
スタジオのスポンサーとなり、同氏が全製作費の半額を出資
するという契約で、長編作品の製作への道が開けたというこ
とだ。また今回のセリックの参加も、潤沢になった資金の関
係と思われる。そして本作では、4〜6千万ドルの製作費の
半額が同氏から出資されることになっているものだ。
 なおセリックは、2004年10月1日付の第72回で紹介したニ
ール・ゲイマン原作“Coraline”の脚本監督を手掛けている
他に、前回は不明確だったティム・バートン企画の“Corpse
Bride”にも参加しているようだ。また、日本では初夏に公
開される“The Life Aquatic with Steve Zissou”(ライフ
・アクアティック)に登場する海洋生物のアニメーションも
担当している。
        *         *
 “Alien vs.Predator”(エイリアンVSプレデター)のポ
ール・W・S・アンダースン監督が、1975年にロジャー・コ
ーマン製作、ポール・バーテル監督で発表されたカルトSF
“Death Race 2000”(デスレース2000年)のリメイクを手
掛ける計画が発表された。
 オリジナルは、デイヴィッド・キャラダインの主演で、シ
ルヴェスター・スタローンが出演していたことでも知られる
作品だが、重装備のレーシングカーの爆走する迫力が売りの
反面、人を跳ねるとポイントが上がるというようなかなりエ
グイ設定だったと記憶している。しかしそのブラックなユー

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04月01日(金)
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