ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460262hit]

■第54回
スの映画に関する姿勢の厳しさは定評のあるところで、中田
監督の頑張りにも期待したいところだ。
        *         *
 日本人監督のハリウッド映画進出の続きで、清水崇監督が
自ら手掛ける『呪怨』のハリウッドリメイクのヒロインに、
“Buffy the Vampire Slayer”と『スクービー・ドゥー』の
サラ・ミッシェル・ゲラーの主演が発表された。
 この映画化は、映画監督のサム・ライミと、製作プロダク
ションのセネター・インターナショナルが立上げたジャンル
ブランド=ゴースト・ハウス・ピクチャーズが製作するもの
で、撮影は1月27日から東京の東宝撮影所で行われるという
ことだ。またアメリカ配給は、ライミが優先契約を結んでい
るコロムビア=ソニーが担当することになっている。
 なおハリウッド版の映画化は、スティーヴン・サスコとい
う脚本家が、日本版オリジナルとその続編を含むシリーズの
全体から脚色したシナリオに基づいて行われ、題名は“The
Grudge”。「恨み」という意味のこの題名は、『呪怨』が海
外の映画祭で上映された際に付けられた副題だったようだ。
 またゲラー以外の配役は未発表だが、その他の配役もハリ
ウッド俳優で固められるはず。一方、ライミは製作者として
名を連ねてはいるが、年末には“Spider-man 2”の追加撮影
の噂もあり、ポストプロダクションも進行中のようで、ライ
ミ自身が現場製作者として仕事をすることはなさそうだ。
 因にゲラーは、“Scooby-Doo 2: Monsters Unleashed”の
撮影は既に完了しており、その後にMGMで撮影されている
パロディ作品“Romantic Comedy”の撮影が終了次第、来日
することになっている。注目度の高い女優の出演だけに、映
画の完成にも期待したいところだ。
        *         *
 続いてはリメイクの情報で、ディズニーがフレッド・マク
マレー主演で1959年に製作した“The Shaggy Dog”(ボクは
むく犬)を、ティム・アレンの主演で再映画化する計画が発
表された。
 オリジナルは、1997年にリメイクされた『フラバー』のオ
リジナルで1961年製作の“The Absent-Minded Professor”
(うっかり博士の大発明・フラバァ)などと並ぶディズニー
コメディの元祖とも言える作品。太古の呪文で大形犬に変身
させられた少年とその家族を巡るドタバタを描いたもので、
家族が変身した息子に寄せる愛情などが見事に描かれ、さす
がディズニーと思わせる作品になっている。
 またこの作品は、ディズニーコメディの正に第1作という
ことで、後の作品ほど洗練されてはいないものの根強いファ
ンが多く、1976年と87年に続編(後者はTVムーヴィ)と、
1994年にはTVMでリメイクもされているということだ。
 そして今回の計画は、ディズニーの製作で続編も作られた
“The Santa Clause”(サンタクローズ)などに主演のアレ
ンの計画として進められているもので、計画ではアレンが犬
に変身する呪文に取り憑かれることになっている。因に、大
人が呪文に掛けられるという設定は、第1作よりも1976年に
ディーン・ジョーンズ主演で製作された続編の“The Shaggy
D.A.”に近いものになりそうだ。
 さらに今回、この監督に『バーシティ・ブルース』などで
知られるブライアン・ロビンスの起用が発表されている。な
お、脚本は犬小屋一杯ほどもあるということで、7月の撮影
開始を目指して最後の調整が行われているようだ。
 またディズニーとアレンでは、本作に続けて“The Santa
Clause”第3作の計画も発表されている。 
        *         *
 この他のリメイク計画では、『チャイナタウン』の脚本で
オスカーを受賞したロバート・タウンが、アルフレッド・ヒ
ッチコックのイギリス時代の作品“The 39 Steps”(三十九
夜)に挑戦することが発表されている。
 この作品は、スコットランド出身の著述家で、イギリス政
府の情報部長から後にはカナダ総督にもなったジョン・バッ

[5]続きを読む

01月01日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る