ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460289hit]
■第52回
ジョリーの主演が決った“Mr.and Mrs.Smith”や、アイス・
キューブ主演の“XXX2”などのサイモン・キンバーグが担当
することが発表されている。なお脚色は、原作の第1巻のみ
について行われるもので、当然シリーズ化が想定されている
ということだ。
因に、本家のミラマックスでは、以前から紹介しているエ
オイン・コルファー原作の“Artemis Foul”(全3巻)や、
第35回で紹介したローレンス・イェップ原作“The Tiger's
Apprentice”(全3巻)などの映画化も進めており、後者に
ついては、ジョニー・デップ主演で『ピーター・パン』執筆
の背景を描く“J.M.Barrie's Neverland”を担当したデイヴ
ィッド・マギーの脚色が契約されている。
* *
もう1本はオリジナル脚本で、ディズニーからシド・クァ
ジーという脚本家の“King of the Gods”という作品を、傘
下のマイヘム・ピクチャーズで製作することが発表された。
この作品は、若き日の大神ゼウスが、自らの宿命を知り、
父神を倒して地上と天界を治めるまでを描くというもの。デ
ィズニーではこの脚本に、6桁($)中盤の契約金を支払っ
たということだ。
それにしてもこの物語、最近どこかで聞いたような気がす
るが、第48回で紹介したニューライン製作の“Titans”がや
はり古代ギリシャ神話をモティーフにしていたものだった。
ということは、競作になる可能性がある訳だが、ニューラ
インの計画は『ハルク』のマイクル・フランシスが脚本を契
約しているものの、スケジュール的には少し先になりそうだ
ったもので、今回の動きでどう対応するか楽しみだ。
なお、ディズニーの計画では、ゼウスが神々の王となるま
でを第1部、天界を平定するまでを第2部、そして自らの冒
した失敗により凋落して行くまでを第3部とする3部作の構
成を検討しているということだ。また、製作には大規模なセ
ットやCGIも駆使した大型の作品に仕上げる計画というこ
とで、夏休み向けのテントポール作品を目指すそうだ。
因に、ディズニーではもう1本、エヴァ・イボットスン原
作の“Which Witch”という作品が、長編アニメーションで
計画されている。
この作品は、引退しようとした魔法使いが、その前に生涯
の伴侶を見つけようとし、彼はそのためのコンテストを開い
たりするのだが…、という童話が原作の作品のようだ。ただ
しこの映画化の製作を、『12モンキーズ』のロバート・コス
バーグが担当することになっているのが面白そうだ。
* *
以下は単発の話題を紹介しよう。
といってもこれも続報からで、第42回に紹介の“Memoirs
of a Geisha”の計画で、『シカゴ』のロブ・マーシャル監
督の起用が本決まりになった。
この計画は、アーサー・ゴールデン原作の1997年のベスト
セラーを映画化するもので、原作の出版当初から映画化権を
獲得したコロムビアとドリームワークスが共同で計画を進め
ていた。そして一時は、スティーヴン・スピルバーグの監督
で、主なキャスティングまで発表されたものだ。
ところが、激動の20世紀を生きた日本人女性の生涯を描い
た歴史作品を英語で製作するとした計画に、故黒沢明監督が
苦言を呈するなどの問題が発生。01年にはスピルバーグが監
督断念を発表していた。
その後、後任の監督が選考されていたものだが、以前にも
紹介したロブ・マーシャル監督の起用が可能になったという
ものだ。というのも、実はマーシャル監督が『シカゴ』製作
に際して交わした契約の中に、次回作もミラマックスで撮る
という条項があったもので、このためミラマックスの了解な
[5]続きを読む
12月01日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る