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On the Production
by 井口健二
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■第51回
これに対してモーガン・クリーク側は、レニー・ハーリン
に監督の引き継ぎを依頼したのだが、今度はシュレイダーに
同調した俳優2人が降板を表明し、結局この2人の出演シー
ンの撮り直しのために6週間の再撮影が行われることになっ
た模様だ。
それにしても、撮影が終った段階での監督の降板とは珍し
い事態だが、実はこのままではシュレイダーの名前も監督と
して残るということで、このままハーリンとの共同監督とい
うことになるのだろうか。また、再撮影が行われるローマの
チネチッタ撮影所では、急遽スケジュールの立直しなど、か
なりの混乱が生じたようだ。
* *
続いてはリメイクの話題で、まずは1950年にアレック・ギ
ネス主演で製作されたイギリス映画“Last Holiday”を、今
年のオスカーで助演賞候補になったクィーン・ラティファの
主演で再映画化する計画が発表されている。
オリジナルはイギリスの作家、劇作家ジョン・プリースト
リーの原作に基づくもので、それまでは普通の生活をしてい
た主人公が、自分の死期の迫っていることを知らされ、最期
にリゾート地で散財を試みるが、それが騒動を巻き起こすと
いうもの。日本では未公開のようだが欧米のガイド本では、
星3つなどの高い評価を受けているコメディ作品だ。
このオリジナルでギネスが扮した主人公を、ラティファが
演じるという計画で、脚色には『ロジャー・ラビット』や、
昨年公開されたジム・キャリー主演の『グリンチ』などを手
掛けたピーター・シーマンとジェフリー・プライスが起用さ
れている。
因にラティファは、現在撮影中の『Taxi』のリメイク
では、オリジナルのフランス映画でサミ・ナセリが扮したタ
クシー運転手を演じており、今回の計画はまたまたヨーロッ
パ映画からのリメイクで、しかもどちらもオリジナルは男性
の役を演じることでも話題になっているようだ。
* *
もう1本リメイクの計画は、1987年にブレイク・エドワー
ズ監督、ブルース・ウィリス、キム・ベイシンガーの共演で
映画化されたコメディ作品“Blind Dates”(ブラインド・
デート)の再映画化が計画されている。
オリジナルの物語は、仕事中毒気味の男性がふと誘われた
ブラインドデートで羽目を外し過ぎたことから、会社絡みの
トラブルに見舞われるというもの。実は、『ダイ・ハード』
の前年にトライスターで製作された作品で、ウィリスの映画
主演デビュー作とも言われているもののようだ。
そして今回のリメイクでは、リヴォルーションでこの夏公
開したハリスン・フォード、ジョッシュ・ハートネット共演
の『ハリウッド的殺人事件』を手掛けたルー・ピットが製作
を担当し、この脚色もピーター・シーマンとジェフリー・プ
ライスが担当することになっている。
脚色以外のスタッフキャストや製作時期などは未定だが、
この作品のリメイク権はコロムビアが所有しており、最終的
にはリヴォルーションと同社の共同製作になりそうだ。
* *
新しい話題で、昨年の東京国際映画祭で話題を呼んだブラ
ジル映画『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレ
レス監督が英語作品に初挑戦することが報告され、その作品
としてジョン・ル=カレ原作“The Constant Gardener”の
映画化の計画が発表されている。
原作はアフリカのケニアを舞台に、イギリス人外交官が現
地の人権運動に関わっていた妻の謎の死を切っ掛けとして、
西欧製薬会社と現地政府との癒着を暴くというもの。そして
この脚色を、1995年の『007/ゴールデンアイ』を手掛け
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11月15日(土)
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