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On the Production
by 井口健二
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■第22回
続いては、『ハリー・ポッター』の脚本家スティーヴ・ク
ローヴスと、ブラッド・ピットが手を組んでヤングアダルト
向けの冒険映画を撮る計画がワーナーから発表されている。
この計画は、マーク・ハッドンという人の原作で、来年6
月に出版が予定されている“The Curious Incident of the
Dog in the Night-Time”という小説を映画化するもの。物
語中心は、「シャーロック・ホームズ」が大好きな15歳の少
年が、隣家の犬が庭仕事の道具で殺された事件の犯人を捜し
出すというものだが、同時に少年の大人への成長が見事に描
かれているということだ。
そしてこの映画化を、先にワーナー傘下にプロダクション
を設立したピットと、『ハリー・ポッター』のデイヴィッド
・ヘイマンが組んで製作することになり、さらにクローヴス
が脚色と監督を担当することになったものだ。因にクローヴ
スは、00年『ワンダー・ボーイズ』の脚本でオスカー候補に
なっているが、その前には『ファビュラス・ベイカーボーイ
ズ』や、『フレッシュ・アンド・ボーン』の脚本監督として
も知られる。また、アルフォンソ・キュアロンが監督する第
3作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の脚本はすで
に書き上げてあるそうだ。
なお、今回の計画は、ブラッド・ピットと、製作者でロバ
ート・デ=ニーロの新作“City by the Sea”やグウィネス
・パルトロウの“A View From the Top”などを手掛けるブ
ラッド・グレイという、2人のブラッドが設立した新会社と
ワーナーとの3年契約に基づくもの。因にグレイは、パロデ
ィ作品の“Scary Movie”の製作者でもあるようだ。
一方、ピットは『ファイト・クラブ』から『オーシャンズ
11』まで製作者として名を連ねているが、いずれも自分の主
演作で、純粋に製作だけという経験はない。従って今回の作
品では、製作者としてのクレジットは間違いないが、今のと
ころ出演があるかどうかは不明のようだ。まあ15歳の主人公
を演じられる訳はないが、カメオでも良いから出てくれるこ
とを期待したいところだ。
* *
もう1本、ワーナーから待望久しいテリー・ギリアムの新
しい計画が公表されている。
ギリアムの新作は、98年の『ラスベガスをやっつけろ』以
来ということになるが、まああれはちょっとという人には、
95年の『12モンキーズ』以来ということになる。なおこれら
の作品と『未来世紀ブラジル』はいずれもユニヴァーサルで
製作されたものだが、特に『ブラジル』に関しては、いろい
ろなトラブルがあったことは知られるところだ。
しかしその後、00年に計画した“The Man Who Killed Don
Quixote”が、撮影開始3週間前にドン・キホーテ役の俳優
の負傷で撮影不能となり、製作中止されるという事態に見舞
われた。この詳細については、ギリアム自身が協力したドキ
ュメンタリー“Lost In La Mancha: The Un-Making of Don
Quixote”が製作されているそうだ。
そんなギリアムに関して、今回公表された作品の題名は、
“Scaramouche”。ラファエル・サバティーニが1921年に発
表した古典的剣戟小説で、フランス革命初期を時代背景に、
スカラムーシュと名乗る男の、復讐と決闘に彩られた物語を
描くものだ。なお同じ原作からは、23年に無声映画と、52年
にはジョージ・シドニーの監督で、スチュアート・グレンジ
ャーが主演、エレノア・パーカー、ジャネット・リー、メル
・ファーラー共演という映画化もされている。
また、サバティーニの原作では、この他に、35年と40年に
いずれもマイクル・カーティーズ監督、エロール・フリン主
演で映画化された“Captain Blood”(海賊ブラッド)と、
“The Sea Hawk”(シー・ホーク)などがある。まあこの題
名でも解るように、どの作品も剣戟映画の王道という感じの
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09月01日(日)
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