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On the Production
by 井口健二
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■殺し屋のプロット、ヒグマ!!、ネタニヤフ調書 汚職と戦争、楓
円井わん。元ジャニーズjrで2012年6月紹介『闇金ウシジマ
くん』などの岩永丞威。さらに『許された子どもたち』に出
演の上村侑と住川龍珠。
そして占部房子、清水伸、宇梶剛士らが脇を固めている。な
おもう1人芸人が出ているがシークレットキャスト(?)だそ
うだ。
本作は夏ごろにその惹句からSNSなどで話題になっていた
ものだが、作品はギャグはあるけどいたって真面目に社会問
題を扱っており、その辺はさすが『許された子どもたち』の
監督という感じがしたものだ。
その一方で内藤瑛亮監督は『ドロメ』や『ミスミソウ』など
の作品も撮っているもので、そのエグ味が程よく加味された
作品とも言えそうだ。特にヒグマの造型と操演は試写会での
トークショウでも語られたが、画期的なようだ。
そして鈴木福がいい味を出していたが、それに円井わんがア
クションは初めてという割にはしっかりと決めており、それ
も見ものになっている。しかもこの内容・映像で映倫G-rate
を勝ち取ったというのも見事。見逃せない作品だ。
公開は11月21日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷他にて
全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社NAKACHIKA PICTURESの招待で試
写を観て投稿するものです。
『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』“The Bibi Files”
2025年10月現在イスラエル・ガザ地区で続いている戦争の背
景を描いたドキュメンタリー。本作はイスラエル・アメリカ
共同製作の作品だが、イスラエルでは上映禁止となり、アメ
リカでも一部劇場での限定上映だったそうだ。
映画の冒頭はベンヤミン(ビビ)・ネタニヤフ現イスラエル首
相に対する取り調べの映像。そこでネタニヤフはハリウッド
の映画プロデューサー、アーノン・ミルチャンからの贈答品
に対して賄賂との追及を受けている。
ミルチャンはイスラエルの出身で2018年10月28日付題名紹介
『ボヘミアン・ラプソディ』など数多くの作品で知られてい
る。しかし2013年にはアメリカの核技術をイスラエルに提供
したと告白するなど、スパイとしての実績もあるようだ。
そんなミルチャンはネタニヤフとは昵懇で、阿吽の呼吸で高
級シャンパンや葉巻などを贈り続ける。これは贈答なのか賄
賂なのか。しかし政権にいるものに対しては、いかなる事情
であっても贈答は賄賂と見做されるのが常識だ。
そこでイスラエル司法は2019年にイスラエルの首相では初め
ての在任中の起訴に踏み切るのだが、その裁判は現在も継続
中のままになっている。そしてそれが戦争を引き起こしたと
本作は訴える。
実際にイスラエルの首相では退任後に汚職などで起訴され実
刑判決を受けた人物も複数いるようで、ネタニヤフはそれを
避けるためには戦争を続けるしかない。それがガザや西岸地
区での戦争になっているようだ。
そしてさらに映画では戦争を引き起こすためのネタニヤフの
手立ても検証する。それは反イスラムの極右のテロリストと
手を組み、彼らが国民を煽って戦争を正当化し、戦争を継続
させていると告発もしている。
いや正に保守が極右と手を組んで戦争に走らせるというのは
早晩他の国でも起こりそうな話だが。日本の右翼は一部の跳
ね返りを除いては冷静だからこうはならないと思うものの、
その原因がシャンパン、葉巻というのは衝撃だった。
いずれにしてもイスラエル首相の悪辣ぶりが目の当たりにさ
れる作品で、しかもそれが現在も継続されている。その状況
には呆然とせざるを得ない感覚にさせられた。これもまた見
事な作品だ。
公開は11月8日より、東京地区は渋谷のシアター・イメージ
フォーラム他にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社トランスフォーマーの招待で試
写を観て投稿するものです。
『楓』
1998年にリリースされたスピッツの楽曲を基に、2020年3月
8日付題名紹介『窮鼠はチーズの夢を見る』などの行定勲監
督で映画化した作品。
開幕はニュージーランドのテカポ湖に向かう道。そこはナミ
ビアのナミブ砂漠、アイルランドのアイベラ半島と並ぶ星空
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10月12日(日)
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