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On the Production
by 井口健二
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■私の親愛なるフーバオ、教皇選挙、プロフェッショナル
の選挙が始まるが…。
物語は前法王が内密に任命していたという謎の枢機卿の登場
など、開幕からいろいろな波乱を含んだ展開となるが、そこ
で有力な候補は3名の枢機卿。しかしリベラル派と保守派の
対立や過去のスキャンダルの暴露も勃発。
さらにはイスラム過激派による爆弾テロなど、正しく現代を
象徴するような出来事が次々に起こり始める。そんな事態を
首席枢機卿は次々と捌き、ようやく次のローマ法王の選出に
漕ぎ着ける。果たして選ばれた人物は?
出演は『ハリー・ポッター』シリーズでヴォルデモート役の
レイフ・ファインズ、『ハンガー・ゲーム』シリーズでフリ
ッカーマン役のスタンリー・トゥッチ、2014年11月紹介『イ
ンターステラー』などのジョン・リスゴー、2012年1月紹介
『最高の人生をあなたと』などのイザベラ・ロッセリーニ。
さらに世界規模のオーディションで選ばれたカルロス・ディ
エス、2009年3月紹介『ザ・バンク 堕ちた巨像』などのル
シアン・ムサマティ、2004年9月紹介『赤いアモーレ』など
のセルジオ・カステリットらが脇を固めている。
監督は2022年 Netflix版『西部戦線異状なし』などを手掛け
たエドワード・ベルガー、脚本は2012年2月紹介『裏切りの
サーカス』などのピーター・ストローハン。2人は製作総指
揮も担当し、原作者のハリスも製作に名を連ねる作品だ。
教皇選挙は立候補制ではなく、単純な互選で2/3の得票を
得られるまでやるというのだから、これは時間が掛かるのも
当然だろう。日本語では「根比〜べ」などと揶揄気味に呼ば
れるその模様が描かれる。
そこに上に例記したような様々な事象が矢継ぎ早に襲い掛か
るのだから、これは観ていて飽きさせない。しかもその結論
がここにあるとは…、正に現代を鏡のように映し出した作品
と言えそうだ。キリスト教会も真っ青かな?
公開は3月20日より、東京地区はTOHOシネマズシャンテ他に
て全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社キノフィルムズの招待で試写を
観て投稿するものです。
『プロフェッショナル』
“In the Land of Saints & Sinners”
1974年のアイルランドを舞台に、1952年生まれのリーアム・
ニースンが伝説の殺し屋に扮するシニアアクション。
主人公は従軍の後にある事情から元締めに誘われて殺し屋に
なった男。その手口は標的を拉致した後に森の空き地に連れ
て行き、自分で穴を掘らせて殺害するというもの。何とも残
忍な手口だ。
そんな男が寄る年波に疲れ、引退を考え始める。ところがそ
んな男が、いつも立ち寄る酒場で店主の女性の幼い娘を見た
時、違和感を覚える。そしてその原因の若い男を最後の仕事
として殺害するが…。その男は過激派の一味だった。
こうして主人公とIRA過激派との壮絶な戦いが始まる。映
画は巻頭でIRA過激派による爆弾テロが描写され、その残
忍さから主人公には必殺仕事人のようなイメージも与えられ
る仕組みになっている。
そんな物語がアイルランドの荒野を舞台に繰り広げられる。
共演は2012年2月紹介『きっとここが帰る場所』などのケリ
ー・コンドン。他にジャック・グリーソン、キアラン・ハイ
ンズ、デズモンド・イーストウッド、コルム・ミーニーらが
脇を固めている。
監督は、クリント・イーストウッドの製作会社マルパソ・プ
ロダクションズ所属で1995年『マディソン郡の橋』以降の作
品で助監督を務めてきたロバート・ローレンツ。脚本はマー
ク・マイクル・マクナリーとテリー・ローンという作品だ。
人は沢山死ぬし何とも殺伐とした話だが、主人公の人間性み
たいなもので救われるのかな。物語の展開は西部劇のような
趣もあるが、舞台がアイルランドで敵がIRA過激派という
ことで、テイストは全く違う作品になっている。
でも、主人公が立ち寄る酒場でフィドルの演奏があったり、
最後の決闘のシーンは正しく西部劇の流れだろう。イースト
ウッドの血筋がここに活かされているような感じもした。原
題にも意味を感じる作品だ。
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02月09日(日)
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