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On the Production
by 井口健二
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■HERE 時を越えて、サブスタンス、犬と戦争
身で募集に応募。やり方を分かっている彼女は瞬く内に番組
にフィットして大きな人気を博してしまう。
とは言え若い姿は1週間交代でしか得られないもの。そこは
何とか誤魔化していた彼女だったが、人気が急上昇する彼女
は厳格に守らなけらばならなかったルールに抜け穴を見つけ
出してしまう。その結末は…。
共演は2024年3月紹介『ドライブアウェイ・ドールズ』など
のマーガレット・クアリー。他に2016年4月紹介『ニュース
の真相』などのベテラン、デニス・クエイドらが脇を固めて
いる。
脚本と監督は、フランス出身で2017年『REVENGE リベンジ』
という作品が日本公開されているコレリー・ファルジャ。前
作も相当ハードな作品だったようだが、本作も女性監督らし
い細やかさとエグさが同居しているような作品だ。
若い頃から活躍していた女優が、若い女優がしかも若さを売
りにするキャラクターを相手にこのような作品に登場する。
これはかなりの葛藤を感じさせられる作品だ。でもそこに果
敢に挑戦して成功したのだから、デミのルネッサンス=「デ
ミッセンス」という造語も納得できる。
それにしても人格は一つなのになぜにこのようなことが…、
とも思わせるが、これは身体に悪いのは解っているのにタバ
コを止められない、そんな心理に似ているのかな。そんな風
にも考えてみた。
とにかく科学的かつ心理的にも納得のできる見事なSF作品
だった。その上、結末のエグさも抜群の作品だ。
公開は5月16日より全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社ギャガの招待で試写を観て投稿
するものです。

『犬と戦争』
2015年『犬に名前をつける日』などの山田あかね監督が戦地
に残された犬を救助する活動に従事している人々を記録した
ドキュメンタリー。
試写状のタイトルを観て、最近見た別の映画の影響もあって
軍用犬の話かなと思ってしまった。しかし監督の名前を観て
そんなはずはないと気付き、今度はこの監督が何を描いたの
か興味が深まった。
その作品は、何とロシア軍に攻め込まれたウクライナで、戦
地に残された犬たちを救助する活動を描いたものだった。そ
の作品は巻頭でかなり残酷な場面から始まる。それは思わず
目をそむけたくなるが、正にそれが始まりなのだ。
登場するのは、ペットに埋め込むアニマルIDの開発者でロシ
アの侵攻後はシェルターに避難しながらウクライナ軍と共に
1万個以上を無償配布して飼い主との再会に寄与したという
ウクライナ在住のビクトール・コパッチ。
ポーランド在住でロシアの侵攻直後から国境に赴き、ペット
を連れた避難民の援護活動を開始。さらに農場を借りてウク
ライナで被災した犬と猫の臨時シェルターを設置。動物達の
援護を行っているというプシェムィスワフ・マリク。
キーウ市近郊の動物シェルターでボランティア活動をしてい
たが、ロシアの侵攻で施設が閉鎖。ロシア軍の撤退後に直ち
にシェルターに駆け付け、その惨状を目撃したというオレー
ナ・コレンスヌコヴァとアナスタシア・オニコヴァ。
ウクライナの激戦地ヘルソン市の出身で、一旦はキーウ市に
避難したものの、ロシア軍の撤退後ダムの決壊で水没したヘ
ルソン市に駆け付けて残されたペットに餌を与えるなど救援
活動を行っているイーラ・モサレンコ。
そして元イギリス軍の兵士で、重度のPTSDで苦しんでいた時
にドッグセラピーに救われ、その体験からドッグセラピーの
事業を立ち上げ、さらに戦地に赴いて犬猫の救援に当ってい
るトム。
正に頭の下がる活動を続けている人たちが登場して、戦災に
巻き込まれた犬や猫、小動物たちの状況やその救援活動が紹
介されているものだ。正しく山田あかね監督ならではという
感じの作品だった。
実は僕は2015年の作品も観ているが、福島原発災害で避難勧
告地域に残された犬を救助する人々と監督自身を反映したと
思われる女性を、ドラマを交えたセミドキュメンタリーで描
いた作品は、何か中途半端で紹介を割愛してしまった。

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01月26日(日)
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