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On the Production
by 井口健二
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■ある一生、ふたごのミーとユー―忘れられない夏―、メイ・ディセンバーゆれる真実
こうして3人で遊ぶようになった姉妹たちだったが、正解を
教えてくれたのがミーだと思い込む男子生徒との関係に少し
ずつ齟齬が生じ始める。それは姉妹の間も同じだった。
脚本と監督は自身も一卵性双生児のワンウェーウ&ウェーウ
ワン・ホンウィワット姉妹。物語は2人の実体験に基づくも
のではないとしているが、いわゆる双子あるあるはいろいろ
盛り込まれていそうだ。
出演は、中華系のタイ人で本作で映画デビューを飾ったティ
ティヤー・ジラポーンシン。双子監督の許で1人で双子を演
じ分けている。相手役はベルギーとタイのハーフでテレビの
端役経験しかなかったというアンソニー・ブイサレート。
他に双子のスタンドイン役でナットワサー・シーヌデート。
顔は出ないが重要な役柄だ。さらにチェンマイ出身のスパク
ソーン・チャイモンコン。タイ映画に数多く出演のナティー
・ガームネオプロムらが脇を固めている。
双子は一緒に住んでいるところから始まるが、両親は離婚の
危機にあるという展開では、ドイツ人作家エーリッヒ・ケス
トナー原作『ふたりのロッテ』“Das doppelte Lottchen”
の正に裏返しという感じがした。
もちろん裏返しだから物語や展開などは全く異なるものにな
るが、夏休みで舞台が湖畔の町の設定など意識はしている感
じもする。監督へのonline取材はあるようだが、その辺を誰
か訊いてくれないかな。
この他、時代背景が1999年ということでY2K問題や、タイの
長距離バス事情など、いろいろ興味深いものが織り込まれた
作品だった。
公開は6月28日より、東京地区は新宿ピカデリー他にて全国
ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社リアリーライクフィルムズの招
待で試写を観て投稿するものです。
『メイ・ディセンバー ゆれる真実』“May December”
1997年に起きた実際の事件を基に2006年に行われた映画製作
を踏まえて、2018年1月紹介『ワンダーストラック』などの
トッド・ヘインズ監督が描いた作品。
登場するのはある実録ドラマへの出演を控えている女優。そ
の女優は役作りのために事件の当事者に会うことを希望し、
事件が起きた街にやってくる。そしてその家族に迎え入れら
れて取材を開始するが…。
その事件とは、当時36歳の女性が13歳の少年をレイプして逮
捕され、有罪になったというもの。しかし彼女はその時に身
籠った子供を刑務所内で出産し、刑期を終えた後に成人して
いた少年と結婚したというものだ。
その事件から20数年が経ち少年が当時の女性の年齢になった
頃から本編の物語は始まる。その時、事件で生まれた子供は
大学生で家を離れており、さらに生まれた双子が高校の卒業
式を迎えようとしていた。
そして女優はそんな一家と向き合い、さらに様々な隠された
真実に遭遇することになる。
出演はナタリー・ポートマンとジュリアン・モーア。それに
韓国系俳優のチャールズ・メルトン。ポートマンは製作者に
も名を連ねてゴールデングローブ賞の主演賞にノミネート、
モーアとメルトンも助演賞にノミネートされた。
原案と脚本は、キャスティングなどで長く映画界に携わって
きたサミー・バーチ。夫のアレックス・メヒャニクとの共同
原案で執筆した初の長編脚本は米ア賞脚本賞のノミネートも
勝ち取っている。
そしてその脚本にポートマンが目を留めて今まで組んだこと
のないヘインズ監督にオファー。監督とは4度目のコラボレ
ーションとなるモーアとの米ア賞受賞者2人による初共演が
実現したものだ。
チラシの惹句には「当事者の心で追うか、よそ者の目で追う
か」とあるが、男性の自分にはなかなか当事者の心にはなれ
なかった。むしろ少年の心には考える部分はあったが、後々
のことを知ると成る程とも思えたものだ。
それくらいに女性向けの映画ということは言えそうだ。ただ
家族構成などはもう少し明確にしておいて欲しかったかな。
現地の人にはこれで判るのかもしれないが。
公開は7月12日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷他にて
全国ロードショウとなる。
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04月21日(日)
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