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On the Production
by 井口健二
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■マグダレーナ・ヴィラガ/クイーン・オブ・ダイヤモンド、ハピネス、フェラーリ、わたしの物語
こうして彼女の両親の了解のもと、2人は大阪にあるロリー
タファッションブランドの本店を訪ねたり、東京銀座の資生
堂パーラーで最高級カレーを食べることに邁進するが…。彼
の心には迷いも生じていた。
出演は2022年12月紹介『少女は卒業しない』などの窪塚愛流
と、2020年3月1日付題名紹介『#ハンド全力』などの蒔田
彩珠。他に橋本愛、山崎まさよし、吉田羊らが脇を固めてい
る。
監督は、2017年2月5日付題名紹介『花戦さ』で日本アカデ
ミー賞優秀監督賞受賞の篠原哲雄。元々2008年1月紹介『ク
リアネス』など青春映画に巧みな監督が、本作でもその手腕
を発揮している。
脚本は、2005年9月紹介『欲望』や2011年8月紹介『夜明け
の街で』などの川浮「づみ。こちらも捻ったラヴストーリー
は得意の脚本家が、今回はかなりストレートな物語を巧みに
描き切っている。
以前にも書いたかもしれないが親族にかなり似通った感じの
境遇だった者がいて、正直に言って冷静には観ていられない
部分も生じる作品だった。自分の立場は男性の側だったが、
改めて女性の両親の心情を想うと辛さもこみ上げた。
とは言うものの本作は、それを見事にハッピネスに盛り上げ
て描き切ったもので、さすがにベテランの監督&脚本家の成
せる業と感心もしてしまった。これなら自分の記憶も爽やか
に蘇らせることができる。ありがたい。
公開は5月17日より、全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社バンダイナムコフィルムワーク
スの招待で試写を観て投稿するものです。
『フェラーリ』“Ferrari”
F1レースのチームとして名高いイタリアの自動車メーカー、
その創始者であるエンツォ・フェラーリが1957年に陥った彼
の人生で最大の危機を描いた実話ドラマ。
第2次大戦以前からレースドライヴァーとして活躍していた
エンツォは終戦後の1947年に妻のラウラと共にフェラーリ社
を興し、市販車の製造販売と共にレースに参戦するチームの
運営を開始する。
そしてチームはF1やル・マンなどに参戦して優れた戦績を残
していたが、背景となる1957年には会社経営の実情は資金難
で逼迫していた。このためフォードや元々の所属だったアル
ファロメオなどからの買収の申し入れも届き始める。
ところが会社の株式の半分は妻の所有になっており、その妻
とは前年の1956年に最愛の息子を難病で亡くして以来、冷え
切った関係になっていた。その一方でエンツォは妻に隠して
愛し合う女性との間に息子も儲けていたが…。
そこでエンツォはイタリア伝統の公道レースミッレミリアへ
の参戦を発表、王座を奪還して会社を立て直すと宣言する。
そしてそこにスペイン人のドライヴァー、アルフォンソ・デ
・ポルターゴ侯爵が参加してくる。
出演は2017年7月9日付題名紹介『パターソン』などのアダ
ム・ドライヴァ。なお俳優は製作総指揮も務めている。他に
ペネロペ・クルス、2023年12月紹介『ダム・マネー』などの
シャイリーン・ウッドリー。
またブラジル出身で、TVミニシリーズ“SENNA” では主人公
のアイルトン・セナを演じたというガブリエル・レオーネ。
さらに2013年5月紹介『モスダイアリー』などのサラ・ガド
ン、2012年6月紹介『ユナイテッド』などのジャック・オコ
ンネル、2008年1月紹介『魔法にかけられて』などのパトリ
ック・デムプシーらが脇を固めている。
脚本は2003年6月16日付でリメイク版を紹介した『ミニミニ
大作戦』でその1969年製作のオリジナル版を手掛けたトロイ
・ケネディ・マーティン。監督は2015年4月紹介『ブラック
ハット』などのマイクル・マンが担当した。
原作は1991年に発表されたもので、その直後からマンとマー
ティン、それにシドニー・ポラックの共働で企画は進められ
た。しかしミッレミリアの再現などに多額の製作費が予想さ
れ、大手の映画会社ではGOサインは出ず、やがてポラックと
マーティンは2008年と2009年に他界してしまう。
それでもめげなかったマンは、2006年7月紹介『マイアミ・
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04月14日(日)
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