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On the Production
by 井口健二
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■ゴッドランド、プロミスト・ランド、#つぶやき市長と議会のオキテ【劇場版】、デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション前章
然保護や鳥獣保護などの風潮がその古来からの職業を蝕んで
いる。そんな風潮に反発する主人公たちだったが…。
やがて集会にいたもう1人の若者が「熊撃ちに行く」と言い
出し、その勢子として主人公に同行を求める。それは猟に成
功しても犯罪者として扱われることを意味していた。しかし
彼らの手には元締めから渡された銃弾も握られていた。
出演は、2023年12月紹介『青春ジャック 止められるか、俺
たちを2』などの杉田雷麟と、2022年9月紹介『月の満ち欠
け』などの寛一郎。他に三浦誠己、占部房子、渋川清彦、小
林薫らが脇を固めている。
製作は美術監督の原田滿生を発起人とするYOIHI PROJECT 。
すでに2023年1月紹介『せかいのおきく』でキネマ旬報ベス
トテン日本映画第1位などの成果を生んでいる製作チームの
第2弾となる作品だ。
昨今は人畜への被害も拡大して熊の駆除への理解は進んでい
る感じだが、この原作の書かれた時代では非科学的で感情的
な環境保護運動なども盛んで、正にこんな状況だったのだろ
う。それは今もあまり変わっていないのかもしれない。
そんな失われつつある古来からの文化に対する想いの籠った
作品だ。それは熊の駆除への理解の高まる今にこそ、適切な
作品になっているとも言える。そしてその思いを監督がしっ
かりと受け止めて描いた作品とも言えそうだ。
厳冬期の庄内地方の風景がしっかりと納められた作品とも言
える。その風景が久々のワイド画面にしっかりと捉えられた
作品でもある。日本の山の風景はワイド画面に良く似合う。
公開は6月29日より、東京地区は渋谷ユーロスペース他にて
全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社マジックアワー/リトルモアの
招待で試写を観て投稿するものです。
『#つぶやき市長と議会のオキテ【劇場版】』
2019年に起きた大規模買収事件で揺れる広島県で、2020年に
急遽実施された安芸高田市市長選挙。その選挙で初当選した
37歳の市長を巡るドキュメンタリー。
安芸高田市は三本の矢の逸話でも知られる毛利元就の居城が
あったということで、昔は広島県の中心であった場所でもあ
るが、現在は農業中心の産業で過疎化が進んでいるといった
状況のようだ。
そんな地方都市で先代の市長が買収事件に関って辞任。その
選挙で政治経験の全くない新人が大差で選ばれる。しかし市
議会には前市長に関連する議員がはびこり、市政は新市長の
思い通りには動かない。
そんな状況に市長はSNSを使って情報発信を開始し、地方
行政の見える化を進めて行くが…。やがて市議会議員の改選
も行われ、市長を支持する新人の当選も果たすが、因習に囚
われた市議会の体制は揺るがない。
そんな地方政治の実態が描かれて行く。
製作は広島ホームテレビ。監督は2022年製作のオリジナルの
番組で「PROGRESS賞」奨励賞を受賞した岡森吉宏。本作はそ
の30分ヴァージョン、50分ヴァージョンを経ての満を持した
劇場版となっている。
最近では2022年8月に紹介した石川テレビ製作『裸のムラ』
など地方のテレビ局が地元の問題を描いたドキュメンタリー
が増えているが、地元密着だからこその問題点の抉り出しと
も言えそうだ。
それは単純には新しい考え方の新市長と旧態依然とした市会
議員との対立にも見えるが、本作では一方的に市長側に偏る
のではなく、市長側の問題点にも言及しており、その辺は公
正な報道姿勢とも言えそうだ。
その中にいろいろな地方政治が抱える問題点が描かれている
のも、普遍的な要素を持った作品と言えるだろう。まあどち
らの側も単純には批判できないもので、その辺を両方の側に
ちゃんと取材しているのも好感の作品だ。
なお映画の前半の選挙戦では登場する議員の多くが真っ赤な
ネクタイをしているのはさすがカープの地元と思わせるが、
それが途中から紫が増えてきて、ユニフォームやサイン球ま
で置かれているのにはニヤリとした。
因に安芸高田市には平成10年からサンフレッチェの練習場が
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03月10日(日)
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