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On the Production
by 井口健二
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■梟−フクロウ−、水平線、PLAY!、ボーはおそれている
介『鍵泥棒のメソッド』などの内田滋、2019年7月紹介『超
・少年探偵団NEO Beginning』などの押田岳。
さらに円井わん、高橋良輔、清水優、遊屋慎太郎、大方斐紗
子、大堀こういち、渡辺哲らが脇を固めている。
物語の背景には3・11の震災があり、主人公には津波で行方
不明のままの家族がいるといった設定もある。そんな状況で
の散骨業ということになるが、さらにそこからの屈折もなま
じではないという感じになる。
それは主人公の問題だけではない様々な要素が絡み合ったも
ので、その展開にも強く心を惹かれるものがあった。実際に
本作に描かれたドラマは、単に震災の後遺症を描いただけに
は留まらないものだ。
因に本作は、2018年に小林が初めての舞台演出を依頼された
際に齋藤孝監督と共に企画したものだったそうだ。ところが
その企画はCOVID-19の影響などで頓挫し、舞台演出デビュー
は他の作品で行ったとのこと。
しかし福島での取材活動などが心に残る小林は新たに映画監
督デビュー作品の題材として本作を再考、最初から主演に希
望していたというピエール瀧を迎えて実現に漕ぎ着けたもの
だそうだ。
従って本作に描かれた屈折は、恐らくは福島での取材の中で
感じ取られたものであったのだろうし、そんな外部の人間に
は窺い知れない苦しみが描かれた作品とも言えそうだ。
公開は2023年12月にフォーラム福島で先行上映の後、東京地
区は2024年3月1日よりテアトル新宿他にて全国ロードショ
ウとなる。

『PLAY!〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜』
特定非営利活動法人北米教育eスポーツ連盟日本本部調べで
【eスポーツ】を題材にした日本初の劇映画と称する作品。
主人公は徳島の高等専門学校に通う生徒3人。1人目は学力
優秀だが怪我で挫折し人間関係が上手くできない。2人目は
学内の人気者だが家庭に問題を抱えている。そして3人目は
Vtuberに嵌ってリアルな友人関係が持てない。
そんな3人がひょんなことからチームを組み、全国高校eス
ポーツ選手権に挑むことになる。とは言うものの競技ゲーム
で全国有数の腕前を持つ1人以外は全くの初心者、それでも
巧みな駆け引きで全国大会出場を勝ち取るが…。
物語はそんな全国大会出場までのチームの進捗と共に、個々
の家庭内での問題なども描いて行く。それはまあ青春映画の
定番というような感じの展開の作品だ。そこにゲームの映像
などが挿入される。
出演は、2023年3月紹介『Village/ヴィレッジ』などの奥平
大兼、MEN'S NON-NOモデルオーディショングランプリ受賞者
で2019年10月6日付題名紹介『決算!忠臣蔵』などに出演の
鈴鹿央士。他に山下リオ、小倉史也。
また花瀬琴音、斉藤陽一郎、冨樫真、山田キヌヲ、薬丸翔、
夏生大湖、岩本晟夢、徳留歌織、杉山ひこひこ、村上航、胡
桃のあ、西間木冠、味元耀大、和田聰宏、古舘佑太郎、三浦
誠己らが脇を固めている。
企画・プロデュースは「天外魔境シリーズ」などを手掛ける
クリエーターの広井王子、脚本はテレビ小説『ブギウギ』な
どの櫻井剛、監督は2020年3月22日付題名紹介『のぼる小寺
さん』などの古厩智之が担当した。
物語の背景は2018年に第1回大会が開催された全国高校eス
ポーツ選手権。この大会では実際に徳島の阿南工業高等専門
学校が全国大会に出場しているものだが、そこに盛り込まれ
た青春ドラマの展開はあまりに定番過ぎるかな。
今更こんな青春模様は恥ずかしくもなるが、でもまあ挫折や
はぐれものの中で育まれる友情の尊さみたいなものは、ど定
番の展開の中でこそ発揮されているもの。これは永遠に不滅
なものなのかもしれない。
ただゲームの映像にはもう少し工夫が欲しかったかな。特に
決め技で同じ映像が繰り返されるのは興ざめ。因にこの映像
は大会の公式ページの動画にも登場するもので、実際にこの
通りだったのだろうが、映画的には工夫が欲しかった。
とは言え、eスポーツでも友情や絆が育まれるというのは、
企画者の言いたいところではあるのだろうし、それを定番の

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12月24日(日)
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