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On the Production
by 井口健二
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■沖縄狂想曲、シャクラ、ファイアバード
ァイ、2007年ミス香港コンテストで準優勝のグレース・ウォ
ン、2010年9月紹介『ラスト・ソルジャー』などのドー・ユ
ーミンらが脇を固めている。
そして本作のアクション監督は、奈良県出身で1993年に香港
に渡り、香港動作特技演員公會メムバーとなって2012年6月
紹介『るろうに剣心』などのアクション監督も務めた谷垣健
治が担当している。
谷垣アクション監督は元々ドニー・イェンの映画にスタント
マンとして共演していたものだが、本作を観ると拳法と同時
にチャンバラの要素も感じられ、特に『るろうに剣心』の面
影は強く感じられた。それも起用の狙いなのだろう。
チャンバラと拳法の融合。これは新たな武闘アクションの地
平を開くような感じもするものだった。
因に金庸の原作『天龍八部』は4人の英雄からなる物語だそ
うで、本作はその内の1人について纏められたもの。しかも
本作に登場する喬峯は後に改名するとあるから、これは続編
も期待できるかな?
公開は2024年1月5日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷
他にて全国ロードショウとなる。

『ファイアバード』“Firebird”
ペット・ショップ・ボーイズのMTVなどでも知られるエス
トニア出身の映像作家ペーテル・レバネが共同脚本と監督を
担当し、2015年8月紹介『キングスマン:シークレットサー
ビス』などに出演の俳優トム・プライヤーが共同脚本と主演
を務めた1970年代ソビエト連邦下が背景の人間ドラマ。
舞台はエストニアのソ連軍空軍基地。主人公はその基地に所
属する若い二等兵。その基地には核兵器などの配備もされて
いるようだが、彼自身は基地司令官の秘書の女性や同期兵と
それなりの青春を楽しんでいた。
そんな主人公の前にエースパイロットの将校が配属されてく
る。その将校に会った瞬間、彼の心には閃光のようなきらめ
きが押し寄せていた。そして2人は写真という共通の趣味を
持っていたことで徐々に接近して行ったが…。
当時のソビエトで同性愛は、法律によって厳格に禁止される
犯罪行為だった。そしてその基地の司令部には、将校の足元
を狙うソ連国家保安委員会(KGB)の影もあった。
共演はモスクワのゴーリキー・センターに所属するウクライ
ナ人俳優のオレグ・ザゴロドニイと、シャネルのグローバル
・ブランド・アンバサダーも務めるロシア人女優のダイアナ
・ボザルスカヤ。
他に2018年6月17日付題名紹介『スターリンの葬送狂騒曲』
などのニコラス・ウッドソンらが脇を固めている。
原作は、旧ソ連やロシアで40本以上の映画やドラマに出演し
ていたという俳優セルゲイ・フェティソフがセルゲイ・ニジ
ニーというペンネームで発表した書籍とされているが、劇中
でも主人公は俳優を目指しており、この物語は俳優の実話に
基づいているようだ。
それはかなり数奇な物語のようにも見えるが、情勢からみれ
ば当然のことなのかな。間に入った女性が振り回されている
ようにも見えるが、同様の展開は他の作品でもあったような
気もする。真に振り回されたのは主人公の方なのだろう。
同性愛の性癖は日本の芸能界も揺るがせているところだが、
それを犯罪と決めつけるところは、日本もソ連と変わらない
のだとも思ってしまう。因にソ連崩壊後は、この法律は一旦
無くなったが、今またロシアで復活しているそうだ。
公開は2024年2月9日より、東京地区は新宿ピカデリー他に
て全国ロードショウとなる。

11月26日(日)
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