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On the Production
by 井口健二
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■剣の舞 我が心の旋律、悪人伝、ディヴァイン・フューリー 使者、タッチ・ミー・ノット ローラと秘密のカウンセリング
の強盗殺人と犯行に使われた凶器が類似すると見えたのだ。
しかし被害者に共通項はなく彼の主張は却下される。
それから数日後、ソウルで違法賭博場を手広く運営している
ヤクザの組長が、配下の組織の長との会食の帰路。自ら運転
していた車が交通量の少ない裏道で追突される。そこで直に
は車を降りなかった組長は襲ってきた若者に反撃し、重傷は
負ったものの撃退して命を長らえる。
その事件に直勘を働かせた刑事は病室を訪ねる。しかし組長
はヤクザの面子で犯人は自分で始末すると一蹴。一方、署内
で意見の取り上げられない刑事は鑑識の情報を教える条件で
共同捜査を申し入れる。こうして刑事+ヤクザ×サイコパス
の闘いが開始されるが…。
その闘いは熾烈を極めるものになる。
共演は、2012年『神弓 KAMIYUMI』などのキム・ムヨルと、
2018年2月11日題名紹介『犯罪都市』でもマ・ドンソクと共
演していたキム・ソンギュ。他にユ・スンモク、チェ・ミン
チョル、キム・ユンソンらが脇を固めている。
脚本と監督は2017年『隊長キム・チャンス』も手掛けたイ・
ウォンテ。元々脚本系の出身で監督は第2作とのことだ。
映画は実際の事件を基にしているとのことだが、多分に脚色
が施されているもので、その物語は見事に痛快ですでにシル
ヴェスター・スタローンの製作によるハリウッドリメイクの
計画も発表されているようだ。
ただ、ヤクザ側から得られた遺留物で捜査本部が動き出すと
いう展開は犯人との関連性が明白でないことから少し強引か
なという感じは持った。それと無辜の一般市民が巻き込まれ
る展開もヴァイオレンスアクションとはいっても少し退く感
じを持った。
もちろんこれらの展開が結末の強烈なカタルシスをもたらし
ていることに異論は挟まないが、もう少し何か工夫があって
も良かったのではないかとは思ったところだ。とは言え本作
が傑作であることは間違いないものだが。
公開は7月17日より、東京はシネマート新宿他にて全国ロー
ドショウとなる。
『ディヴァイン・フューリー 使者』“사자”
2020年1月12日題名紹介『人間の時間』などのアン・ソンギ
がバチカン公認のエクソシストに扮するファンタシーアクシ
ョン作品。
主人公は韓国を代表する若き格闘家。母親は彼の出産の際に
死去し、警官だった父親は敬虔なクリスチャンでもあったが
彼が幼い頃に暴走車を止めようとして命を落とした。そんな
生い立ちの彼は神の存在を否定して生きてきたが…。
アメリカで行われたタイトルマッチで強敵を瞬殺した彼は、
その夜、掌に突然現れた傷口から出血が止まらず、帰国して
診せた医者にもその原因はつかめなかった。そんな彼は紹介
された占い師にとある教会に赴けと言われる。
そして半信半疑で指定された教会に向かった彼は、そこで行
われていた悪魔祓いの儀式に遭遇し、しかも窮地に陥ってい
たエクソシストを、格闘技の技と彼の掌の聖痕に秘められた
力で救ってしまうことになる。
こうして主人公はエクソシストの助手として活動することに
なるが、彼自身は神の存在を否定したままだった。
主演は、2016年に上野樹里が共演した『ビューティー・イン
サイド』などのパク・ソジュン。2017年の『ミッドナイト・
ランナー』でブレイクした俳優が同作を手掛けたキム・ジュ
ファン脚本・監督と再タッグを組んだ作品だ。
他に日本ではNetflixで配信のファンタシードラマ『ザ・キ
ング:永遠の君主』などのウ・ドファン、2020年1月19日紹
介『ムルゲ 王朝の怪物』などのチェ・ウシクらが脇を固め
ている。
プロローグの主人公の父親が死亡するシーンではそれなりの
VFXも使われて、ここでは映画の後半でもっとオカルト的
な因縁話が展開するのかと思ったが、本作ではそこまでは描
いてはいない。
これはまあ若い俳優のアクションを前面に押し出す点では致
し方ないものではあるが、ジャンルのファンとしては少し物
足りない感じは残った。ここはできれば続編を作って、父親
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05月31日(日)
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