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On the Production
by 井口健二
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■オンリー・ザ・B、50回目のファーストK(モリーズ・G、焼肉D、海を駆ける、ホース・S、超級大国民、最初で最後のK、オンネリ、ガンダム)
る感じで、本当に素晴らしい作品だと思う。
公開は6月22日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他にて全国
ロードショウとなる。
『50回目のファーストキス』
2017年6月25日題名紹介『銀魂』が同年の実写邦画で第1位
の興行成績を記録した福田雄一脚本・監督による、監督初の
ラヴコメ(?)と称する作品。
同監督では2017年10月紹介『斉木楠雄のΨ難』もあったが、
いずれもSFの範疇に入ると思われるこれら作品では、SF
映画ファンとしては何となく歯痒いというか不満な点が多く
残った。
それに対して本作はSFではない。しかしある意味ファンタ
スティックとも取れる設定で、そのファンタスティックな部
分と、ラヴストーリーとコメディが結構バランス良く描かれ
ている感じがした。
主人公はハワイで現地のガイドをしている男性。彼は一夜の
恋人として日本人女性を存分に楽しませるプレイボーイでも
あったが、それには彼なりの理由もあった。天文学を研究す
る彼は米国本土の研究所に勤めるのが夢だったのだ。
ところがそんな彼が、案内先の下見でやって来た街はずれの
カフェで、端っこのテーブルに1人で座る女性を見染める。
そして巧みに言いよって会話が弾み、明日も会おうと約束す
るのだが…。
翌日再会した彼女は、初対面のように彼に対してきた。
出演は山田孝之、長澤まさみ。他にムロツヨシ、佐藤二朗、
勝矢、太賀、山崎紘菜、大和田伸也らが脇を固めている。
本作は2005年5月紹介、アダム・サンドラー、ドリュー・バ
リモア共演による同じ邦題の作品を、舞台はオリジナルと同
じハワイのままに、キャラクターだけを日本人に置き換えて
リメイクしたものだ。
ただし細かい設定はいろいろ変更されていて、中でも山田が
演じる主人公の本来の仕事を天文学者としたのは、ベストと
言えるものになっている。特に星空を背景にする映像は素晴
らしく、これにはハリウッド版も脱帽だろう。
さらにムロツヨシ、佐藤、太賀らのキャラクターも立ってい
て、特にムロツヨシと佐藤は『斉木楠雄』の時は空回り感が
強かったが、本作では山田が演じる部分も含めたナンセンス
なギャグがしっくり収まっていたものだ。
正直には、この山田の力量が映画全体のバランスやギャグの
メリハリなどをしっかりと保持しているようにも感じた。そ
れはオリジナルのサンドラ―以上に、本作の要と言ってよい
存在感に溢れていた。
短期記憶障害というのはかなり厳しい病状で、オリジナルを
観た時には中々その点も理解し難かったが。本作では途中で
描かれる他の患者のことなど、結末までに見事にそれを描き
切っている感じもした。
福田監督に関しては、初期の2009年8月紹介『大洗にも星は
ふるなり』は気に入ったが、本作はその頃の感触にも戻った
感じで、山田、ムロツヨシ、佐藤とのコンビネーションにも
嬉しくなったものだ。
公開は6月1日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他にて全国
ロードショーとなる。
この週は他に
『モリーズ・ゲーム』“Molly's Game”
(モーグルのオリンピック代表候補だった女性が怪我で道を
断念。ところが大学進学までを気儘に過ごそうとやって来た
ロサンゼルスで、彼女はセレブが集う地下カジノの経営に手
を染める。それ自体は違法ではなかったが…。10年後、彼女
はFBIに逮捕される。実在女性の回想録に基づき、2010年
10月紹介『ソーシャル・ネットワーク』などのアーロン・ソ
ーキンが脚色、自らの手で監督した。主演は2014年11月紹介
『インターステラー』などのジェシカ・チャスティン。他に
イドリス・エルバ、ケヴィン・コスナー、マイケル・セラら
が脇を固めている。実際の顧客にはトビー・マクガイア、レ
オナルド・ディカプリオらもいたと言われ、映画のモデルを
考えるのも面白い。それにしても前々回題名紹介の『アイ,
トーニャ』と言い、女性アスリートも大変だ。公開は5月よ
り、東京はTOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショー。)
『焼肉ドラゴン』
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03月25日(日)
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