ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459730hit]
■プリキュア・SS(フロリダ・P、ラジオ・K、家に帰ると、ガザ、女と男の、天命の、猫は抱、枝葉の、ビッグH、カトマンズ、フジコ・H)
されている。結末の捉え方で評価は別れると思うが、僕はあ
まり肯定的には観られなかったかな。公開は5月12日より、
東京は新宿バルト9他で全国ロードショウ。)
『ラジオ・コバニ』“Radio Kobanî”
(シリア北部のクルド人の町コバニ。2014年9月からISに
占領された町は、2015年1月にクルド人民防衛隊によって解
放されたが、その数か月間の戦闘によって町は瓦礫の山と化
してしまった。そんな中で人々に希望を与えようと手製のラ
ジオ局を立ち上げた少女の奮闘を描いたドキュメンタリー。
監督は2012年に“Mijn Geluk in Auschwitz”というドキュ
メンタリーとアニメーションの作品でデビューしたクルド出
身のラベー・ドスキー。本作では復興の動きを力強く描くと
共に、過去の戦闘の映像なども挿入して、巧みな作品を作り
上げている。復興とラジオの関係では2013年1月に東日本大
震災関連の『ガレキとラジオ』を紹介したが、日本の作品に
は何かもどかしさを感じたのに対して、本作では正に明日へ
の希望が描かれているのも素晴らしかった。公開は5月12日
より、東京はポレポレ東中野他で全国順次ロードショウ。)
『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』
(「Yahoo!知恵袋」への投稿に端を発し、初音ミクでオリジ
ナル楽曲が制作されたり、コミックスエッセイ化など様々な
メディアに展開されたという作品の映画化。映画の主人公は
結婚3年目のサラリーマン。実はバツ1で結婚生活に自信の
ない彼は、再婚相手に3年目の見直しを提案していた。その
3年目が近づいた日、彼が帰宅すると部屋で妻が血を流して
倒れていた。勿論それは狂言だったが、彼には妻がそうする
理由が判らない。しかも翌日は妻がワニに喰われて倒れてい
た…。出演は榮倉奈々と安田顕。監督は2010年2月紹介『て
ぃだかんかん』などの李闘士男。脚本は2017年3月19日題名
紹介『映画プリキュア・ドリームスターズ!』の坪田文が担
当した。原作がどんなものかは知らないが、映画では榮倉の
死にっぷりが結構様になっていた。公開は6月8日より、東
京は角川シネマ新宿他で全国ロードショウ。)
『ガザの美容室』“Degrade”
(パレスチナ自治区ガザで戦火の下でも逞しく生きる女たち
を描いた作品。舞台はガザの街角に立つ美容室。そこには離
婚調停中の主婦やヒジャブを被った信心深い女性、結婚間近
の娘とその母親、さらに出産間近の妊婦など様々な女性が集
まっている。店には大勢の客がいるが、美容師は2人だけで
順番までは時間が掛かりそうだ。そんな女性たちは世間話な
どに花を咲かせていたが…。突然外の街路で戦闘が始まり、
客たちは店を出られなくなる。それでも平静を保とうとする
が、妊婦に陣痛が始まったり、事態は予断を許さなくなる。
脚本と監督は、双子の兄弟のタルザン&アラブ・ナサール。
長編デビュー作の本作はカンヌ国際映画祭批評家週間に出品
された。これもソリッドシチュエーションと言えるのかな?
とにかくもの凄いお話だ。公開は6月23日より、東京は新宿
シネマカリテ他で全国順次ロードショウ。)
『女と男の観覧車』“Wonder Wheel”
(毎年新作を発表するウディ・アレン監督の2017年度作品。
2017年4月9日に題名紹介の前作『カフェ・ソサエティ』は
1930年代の東海岸と西海岸を行き来する話だったが、今回は
1950年代のニューヨーク・コニーアイランドが舞台。そこの
遊園地の象徴でもある観覧車の傍に住む元女優を主人公に、
夢を忘れず必死に生きる人たちが描かれる。出演はとんでも
ない長台詞に渾身の演技を見せるケイト・ウィンスレット。
それにジャスティン・ティンバーレイク、ジム・ベルーシ、
2014年6月紹介『マレフィセント』などのジュノー・テンプ
ルらが脇を固めている。コニーアイランドは、最近では日本
人も活躍するホットドックの大食い大会などでも紹介される
ようだが、その往時の賑わいが見事に再現されている。これ
がアレンの愛するニューヨークなのだろう。公開は6月23日
[5]続きを読む
03月18日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る