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On the Production
by 井口健二
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■ワンダー 君は太陽、ビューティフル・デイ(アンロック、トーニャ、タクシー運転手、マルクス、終わった人、ラスト・ホールド)
その陰に隠された驚愕の事実が発覚する。
共演は、2008年1月紹介『デッド・サイレンス』に出ていた
というジュディス・ロバーツと、2018年1月紹介『ワンダー
ストラック』にも出演のエカテリーナ・サムソノフ。他に、
2011年1月紹介『ブルーバレンタイン』などのジョン・ドー
マンらが脇を固めている。
監督の前作も人間の闇の部分を突いてくるような作品で、観
ていて震撼としたが。本作ではフェニックスのアクションが
ある分、少しその感じは薄まるかな。ただしそのアクション
もかなり現実的で、神経には触る作品になっている。
とは言えこれが人間の本性であることは確かなのだろうし、
その辺にしっかりと目を見据えて描き切る監督の手腕は確か
なものだ。そんなところがカンヌダブル受賞にも繋がってい
るのだろう。
そんな作品だが、本作では最後に微かな救いがあるのかな。
主人公が少しだけ人としての絆を取り戻す。しかしその前途
は多難なようにも感じるし、ここからの生き様が別の物語に
もなりそうな余韻を残してくれた。
まあ、映画ファン的には別の作品が見えてくるが、それは監
督の意図ではないだろう。
公開は6月より、東京は新宿バルト9他で全国ロードショウ
となる。
この週は他に
『アンロック 陰謀のコード』“Unlocked”
(2013年4月紹介『マーヴェリックス』などのマイクル・ア
プテッド監督が、2017年8月紹介『セブン・シスターズ』な
どのノオミ・ラパスを主演に迎えて、アメリカCIAの陰謀
を暴くサスペンス作品。主人公はCIAの辣腕尋問官。しか
しあるテロ事件の解明に失敗し、そのトラウマで職を辞して
市井のソーシャルワーカーとして働いている。そこに新たな
テロの情報がもたらされ、彼女は職に復帰するが…。その情
報には巨大な罠が仕掛けられていた。共演はオーランド・ブ
ルーム。他にマイクル・ダグラス、トニ・コレット、ジョン
・マルコヴィッチらが脇を固めている。実は今回最初の作品
と続けて見たが、上作を個人的に少し重く感じていたところ
からは、本作の軽快なアクションの展開にほっとした。テロ
の描写など、決して軽い作品ではないが。公開は4月20日よ
り、東京はTOHOシネマズ新宿他で全国ロードショウ。)
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』“I, Tonya”
(1992年、94年の冬季オリンピックにフィギュアスケート・
アメリカ代表として出場したトーニャ・ハーディングの半生
を描いた作品。アメリカ人女性では初めてトリプルアクセル
に成功したとされるハーディングは、貧しい暮らしの中、幼
い頃から母親のスパルタ教育でスケート一筋に歩んできた。
そして代表の座を射止めるが、その1992年には元夫がライヴ
ァル選手ナンシー・ケリガンを襲撃するという前代未聞の事
件を引き起し、転落の道を歩み出す。出演は2016年8月14日
題名紹介『スーサイド・スクワッド』などのマーゴット・ロ
ビー。彼女は製作も兼ねている。他に本作でオスカー受賞の
アリソン・ジャネイ、さらにセバスチャン・スタンらが脇を
固めている。監督は、2011年10月紹介『フライトナイト−恐
怖の夜−』などのクレイグ・ギレスピー。公開は5月4日よ
り、全国ロードショウ。)
『タクシー運転手 約束は海を越えて』“택시 운전사”
(2008年3月紹介『光州5・18』にも描かれた軍による民
衆弾圧事件を描いた作品。その事件を世界に知らせたドイツ
人ジャーナリストが如何にして取材し報道したか。そこに隠
された実話が描かれる。主人公はタクシー運転手。どちらか
というと体制寄りで学生運動にも批判的だった彼が、高額の
報酬に惹かれて危険な旅を買って出る。そして検問も掻い潜
り、光州へと突き進むが…。到着した現地では軍による弾圧
が始り、現地のタクシー運転手は民衆側に立って負傷者の搬
送などに従事していた。後半にはちょっとやり過ぎ感もある
が、最後に登場するジャーナリスト本人の映像が、改めて事
件の大きさを物語る。出演はソン・ガンホと2015年『戦場の
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03月11日(日)
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