ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459734hit]
■ゴーストスクワッド(Sea Opening、香港製造、ANIMA、ペンタゴン・P、ボス・B、きみへの距離、ハッピーE、トレイン・M、グレート・A)
(2009年10月23日「東京国際映画祭」で紹介『愛してる、成
都』などのフルーツ・チャン監督が1997年に発表して、香港
金像奨グランプリなどを獲得した作品。その作品が4Kリマ
スターにより再公開される。舞台は中国返還直前の香港。変
革に戸惑う社会の中で、行き場のない若者たちの青春が描か
れる。そこに自殺した少女の遺書が拍車を掛ける。主演は本
作で市中から見いだされ、後に2002年6月紹介『ピンポン』
などに出演するサム・リー。本作には本名でクレジットされ
ている。他に後は実業家になるネイキー・イム。さらに後は
映画編集者として活躍するウェンダー・リーなど、特別な顔
ぶれが並ぶ。製作総指揮はアンディ・ラウ。撮影用フィルム
の特殊な事情などもあり、ディジタル化にはかなりの時間を
要したようだ。公開は3月10日より、東京はヒューマントラ
ストシネマ有楽町他で全国順次ロードショウ。)
『ANIMAを撃て!』
(2016年10月16日題名紹介『いたくても いたくても』で長
編デビューした東京藝術大学大学院映像研究科出身堀江貴大
監督の長編第2作。海外留学支援の試験に臨むバレリーナを
主人公に、自らの進むべき道に迷う若者の姿を描く。出演は
新人の服部彩加と、2012年8月紹介『FASHION STORY』など
の小柳友。他に大鶴義丹、さらに2015年『RED COW』などの
黒澤はるか、同年『私たちのハァハァ』などの中村映里子、
2009年8月紹介『行旅死亡人』などの藤堂海らが脇を固めて
いる。劇中のダンスシーンはそれなりに観られたが、ドラマ
の展開がちょっとベタかな。同様の展開では2017年4月30日
題名紹介『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン』がドキュメン
タリーなのに見事にドラマティックだったもので、フィクシ
ョンならそれなりのドラマが欲しい。公開は3月31日より、
東京は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』“The Post”
(ウォータゲート事件に先立つ1971年に起きた、合衆国の報
道の自由を巡る事件の実話に基づく物語を、スティーヴン・
スピルバーグ監督、メリル・ストリープ、トム・ハンクスの
共演で描いた作品。1961年から1968年までの民主党政権下で
マクナマラ国防長官が密かに纏めたベトナム戦争を検証する
文書。それは勝ち目のない戦いにアメリカの若者を送り続け
る愚かさを示したものだった。その文書をスクープしたNY
タイムズとそれを追うワシントン・ポスト。しかしそれはホ
ワイトハウスの怒りを買うことになる。しかもポストの社主
はマクナマラと昵懇だった。その中で大統領府は両社の刑事
告発に踏み切るが…。何処で事態は逆転するか、結果は判っ
ていても興奮する作品だ。トランプ政権の横暴さに危機感を
覚えるハリウッドが、正にトップランナーで政権に挑んでい
る。公開は3月30日より、全国ロードショウ。)
『ボス・ベイビー』“The Boss Baby”
(2005年6月紹介『マダガスカル』などのトム・マクグラス
監督によるドリームワークス・アニメーションの最新作。主
人公はやさしい両親に育まれた7歳の少年。そんな主人公の
家にコウノトリならぬリムジンでやって来たスーツ姿の赤ん
坊。彼は人類の未来に関る重大な使命を帯びていた。それは
赤ん坊vsペットの究極の戦い。その中でペット陣営は最終兵
器を準備していた。かなり捻った世界観で、それを把握する
のに少し戸惑うが、判ってしまえば実に見事に現代を描いた
作品になっている。ペットブームと少子化問題、その背景に
こんな事情があったとは…。これは到底有り得ないとは言え
ない話かな…? 声優は、オリジナルはアレック・ボールド
ウィン、スティーヴ・ブシェミ他、吹替え版はムロツヨシ、
芳根京子らとなっている。公開は3月21日より、全国ロード
ショウ。)
『きみへの距離、1万キロ』“Eye on Juliet”
(砂漠の油送パイプラインを監視するロボットが、海外脱出
を企てるアラブ人の男女を目撃したことから始まる少し未来
[5]続きを読む
02月04日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る