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On the Production
by 井口健二
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■ロープ 戦場の生命線、レディ・ガイ、ホペイロの憂鬱
だ。そんな彼女の証言に従って、事件の全容が明らかにされ
て行く。それは女医の弟が殺し屋に襲われるところから始ま
る復讐劇だが…。
一方、名うての殺し屋フランク・キッチンはマフィアの指示
で女医の弟に制裁を加えたが、その女医がマフィアにとって
の重要人物だったために逆に彼自身が狙われることになる。
そしてマフィアに拘束され女医の許に連れて行かれたフラン
クは、女医の手術の被害者になってしまう。
斯くして包帯でぐるぐる巻きにされ、安ホテルの部屋で目覚
めたフランクは、自分が性転換手術を施されたことを知る。
これにより女性になったフランクは女医への復讐を誓う。
出演は、『バイオハザード』から『ワイルドスピード』まで
アクション映画に欠かせない女優ミシェル・ロドリゲスと、
『エイリアン』でアクション映画の女王とされたシガニー・
ウィーヴァー。因にヒルが自らの監督作品で女優を主演者に
するのは初めてだそうだ。
他に、2017年11月12日題名紹介『ジャコメッティ』などのト
ニー・シャループ、2017年8月13日題名紹介『アナベル』な
どのアンソニー・ラパリア、2012年『スマイリー』などのケ
イトリン・ジェラードらが脇を固めている。
原案にも名を連ねるヒルは、1970年代に持ち込まれた企画か
ら当時のグラフィックノヴェル化も手掛けたそうで、本作は
その長年の企画を実現したものだ。そして当初はゲイ男優の
主演も考えたが、ロドリゲスの出演を得て本作を完璧なもの
にしている。
そのロドリゲスは、前半ではかなり巧みに男性の殺し屋を演
じており、製作前には企画に対してトランスジェンダーから
の批判もあったようだが、その批判を黙らせる演技力を見せ
つけている。
公開は2018年1月6日より、東京は新宿シネマカリテ他にて
全国順次ロードショウとなる。
『ホペイロの憂鬱』
2003年公開『T.R.Y.』の原作者でもある井上尚登が、2009年
に東京創元社で発表した小説の映画化。因に作者は夕刊紙に
コラムを持つほどのスポーツ通だそうだ。
主人公はJ3リーグ所属サッカーチームの用具係。経験は浅
いが研究熱心で、用具の様子から選手の不調を見破ることも
できる。ところが勝てばJ2昇格という大事な試合の前に社
長室に呼ばれ、J2に昇格したら用具係は続けられないと告
げられる。
その一方で、ベテラン女性広報の下に若い新人女性が入って
きたり、街に貼られた試合の告知ポスターが破られたり、さ
らには監督のジンクスのぬいぐるみのクマが消えたり。様々
な事件が主人公の周囲で巻き起こる。果たして主人公はこれ
らの難問を解決できるか? そして主人公の運命は…?
出演は、2017年7月紹介『東京喰種トーキョーグール』など
の白石隼也と、2013年11月紹介『バイロケーション』などの
水川あさみ。他に永井大、2011年1月紹介『心中天使』など
の郭智博、「王様のブランチ」リポーターの小室ゆら。
さらに菅田俊、川上麻衣子、白川和子、佐野史郎らが脇を固
めている。
監督は大阪藝術大学・映像学科卒業、前作『少年モン、本当
の名前は知らない』で2016年福井映画祭審査員特別賞受賞の
加治屋彰人。脚本は、2010年8月紹介『アブラクサスの祭』
などの佐向大と、アニメーション監督のサトウタツオ、それ
に監督が手掛けている。
映画は、撮影協力もしたJ3リーグのSC相模原をモデルに
しているようで、僕はその南隣のチームのサポーターだが。
長年チームを応援してきた目で観ていると、水川が演じる女
性広報にはこちらのチームの元広報も髣髴とさせてニヤリと
してしまった。
その他にも、応援の様子やその応援団の掲げる横断幕の文字
の濁点が微妙だったりするのは、言ってみればJリーグある
あるみたいなもので、その辺は良く研究されて描かれている
感じがした。
ただ、宣伝コピーにもなっている「負けたらクビ! 勝って
もクビ?!」というのが、映画のように新規の親会社の意向と
いうのは、確かにJリーグでもない訳ではないが。これは一
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12月03日(日)
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