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On the Production
by 井口健二
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■ゆらり、ブレードランナー 2049
れる疑似記憶の中で、Kの幼少時代の記憶に謎が生じる。
出演は、2013年2月紹介『L.A.ギャングストーリー』などの
ライアン・ゴズリング、2013年8月紹介『ハウス・オブ・カ
ード』などのロビン・ライト、2016年8月題名紹介『スーサ
イド・スクワッド』などのジャレッド・レト、2012年5月紹
介『灼熱の肌』などのアナ・デ・アルマス。それにハリスン
・フォード。
脚本は、前作を手掛けたハンプトン・ファンチャーの原案と
シナリオから、2011年7月紹介『グリーン・ランタン』や、
2017年『エイリアン コヴェナント』などのマイクル・グリ
ーンが参加して完成された。
前作は、日本製品のCMも登場するヴィジュアル・インパク
トでも評判になったものだが、本作ではちょっとハングルが
増えたかな? でも要所にはしっかりと日本語が登場するの
は、今回の映画配給がソニーというだけではないだろう。
しかもそのヴィジュアルは、今回はIMAXで製作されてお
り、完成披露の品川プリンスのシアターで行われた映像は正
に目を見張るものだった。
さて以下はかなりネタバレに接近するが、前作ではブレード
ランナーのデッカード本人がレプリカントであるのか否かが
最後に残された謎のままだった。それに対して本作の主人公
Kは最初からレプリカントとされており、対するデッカード
の立場も明白にされている。
そしてそこから新たな謎が登場するが、それが前作やその後
の状況を知る者にはかなり切ない。そんな物語が相応のサプ
ライズを含めて見事に展開されている。脚本家ファンチャー
は、本作を想定して前作を書いたのだろうが。35年を経ての
本作は、見事にその物語を完成させることになった。
公開は10月27日より、東京は丸の内ピカデリー、新宿ピカデ
リー他で、全国ロードショウとなる。
この週は他に
『アランフェスの麗しき日々』
“Les beaux jours d'Aranjuez”
(2011年10月紹介『Pina』などのヴィム・ヴェンダース
監督が、1987年『ベルリン・天使の詩』などでも組んだドイ
ツ出身の劇作家ペーター・ハントケによる2012年発表の戯曲
を脚色し、映画化した作品。出演は2017年8月27日題名紹介
『永遠のジャンゴ』などのレダ・カテブ。ほぼ会話劇で進行
する作品だが、結末に流れる音響が何とも様々なものを想像
させる。しかしそこに結論は明示されず、観客の脳裡にいろ
いろなものが想起される。それが監督の狙いなのだろうが、
もう少し何かヒントが欲しい感じはした。なお撮影はナチュ
ラル3Dで行われたとプレス資料にあるが、日本での公開は
2Dになってしまうようだ。公開は12月より、東京はYEBISU
GARDEN CINEMA他で、全国順次ロードショウ。)
『恋とボルバキア』
(2010年3月紹介『アヒルの子』小野さやか監督7年ぶりの
新作は、セクシャルマイノリティを描くドキュメンタリー。
時間の関係で9月10日付に題名のみ掲載とした『女になる』
という作品が、実は性転換手術を受けた人物のドキュメンタ
リーで、かなり正確にその状況を描いていた。それに比べる
と本作は多少情緒に流れたかな? 監督の思い入れが少し前
面に出過ぎた感じもする。特に複数の事象を並行して描く構
成はドラマティックだが、それぞれの事象を判り難くしてい
るようにも感じた。ただし2作を両方共に観ると、互いに理
解が深まる作品にはなっているが…。本作の公開は12月9日
より、東京はポレポレ東中野他で全国順次ロードショウ。ま
た田中幸夫監督の『女になる』は、10月28日より新宿K's
cinema他で、全国順次及び特集上映となる。)
『嘘八百』
(前回題名紹介『リングサイド・ストーリー』の武正晴監督
が、中井貴一、佐々木蔵之介をW主演に迎えた骨董品を巡る
虚々実々の物語。脚本は2014年『百円の恋』でも武監督と組
んでいる足立紳と2002年4月紹介『パコダテ人』などの今井
雅子。共演者には友近、森川葵、前野朋哉、堀内敬子、坂田
利夫、木下ほうか、塚地武雅、桂雀々、寺田農、芦屋小雁、
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10月08日(日)
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