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On the Production
by 井口健二
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■ナミヤ雑貨店の奇跡、ザ・マミー 呪われた砂漠の王女、少女ファニーと運命の旅
などのソフィア・ブテラ、2014年『アナベル死霊館の人形』
などのアナベル・ウォーリス。さらにオスカー俳優のラッセ
ル・クロウらが登場する。
脚本は2017年2月紹介『パッセンジャー』などのジョン・ス
ペイツと、2014年6月紹介『ALL YOU NEED IS KILL』などの
クリストファー・マッカリー。監督は2013年6月紹介『スタ
ー・トレック イントゥ・ダークネス』などの脚本家のアレ
ックス・カーツマン。監督は長編第2作のようだ。
同じ原題で知られる1932年公開のオリジナル(邦題:ミイラ
再生)は、ミイラで発見された古代の僧侶が甦り、自らが仕
えた王女の復活を目論むというものだった。しかし今回のリ
ブートではミイラは王女のもの。そしてその王女が直接恐怖
をまき散らすのだ。
これではリブートというより、丸っきり新たなストーリーと
言えるが、本作にはさらに仕掛けがあって、実はクロウの演
じているのがDr. ヘンリー・ジキル。そして彼の研究室には
2017年2月紹介『キングコング髑髏島の巨神』のエンドロー
ル後にも匹敵のとんでもないものが並んでいるのだ。
ここで先に書いたDark Universeというブランド名を考える
と、これはディズニー=マーヴェルの「アベンジャーズ」、
ワーナー=DCの「ジャスティス」に並ぶ新たなチームの展
開が見えてくる。それがクロウ、クルーズの共演に対抗する
ことになるのかな?
因に、Dark Universeでは、2019年の公開予定でハビエル・
バルデム出演の“Bride of Frankenstein”が発表されてい
る他、ジョニーデップ出演の“The Invisible Man”、さら
に“Van Helsing”などが計画されているようだ。これらが
1本化された物語になるのだろうか。
本作の公開は7月28日より、全国ロードショウとなる。
『少女ファニーと運命の旅』“Le voyage de Fanny”
現在はイスラエルで暮らすユダヤ人女性の第2次大戦中の
実体験を描いた作品。
フランス東北部のイタリア占領地区は、ナチスの占領地区
に比べるとユダヤ人への迫害は緩かった。しかしイタリア
の降伏が伝わると様相が一変する。そこで支援者に匿われ
ていた少女らは、両親と別れスイスへ脱出を図る。
ところが乗っていた列車の運行が停止され、引率の大人が
いないまま少女たちは独力でスイスを目指すことになる。
しかも最年長の少女はドイツ語なまりがひどくて人前では
話せず、13歳の主人公に重責が負わされる。
それでも何とか機転を利かせながら国境を目指す少女たち
だったが…。状況は刻々と悪化していた。
出演は、主人公ファニー役に舞台経験はあるが映画初出演
のレオニー・スーショウ。ただし他の8人の子供たちには
かなり実績のある子役が選ばれているようだ。
さらに大人の役では、2006年4月紹介『ロシアン・ドール
ズ』などのセシル・ドゥ・フランス、元レーシング・ドラ
イヴァーというステファン・ドゥ・グルート、2016年公開
『エタニティ永遠の花たちへ』などのヴィクトール・ムー
トレらが脇を固めている。
監督は、2013年6月20日付「フランス映画祭2013」で
紹介『アナタの子供』などのジャック・ドワイヨン監督の
実娘で、2007年のデビュー作がカンヌ映画祭での上映及び
セザール賞にノミネートされ、本作が3作目のローラ・ド
ワイヨン。
因に監督はユダヤ人ではないため、この作品を手掛けるこ
とには相当悩んだようだが、フランスの歴史を伝える上で
重要な作品と考えて踏み切ったとのことだ。
その作品は、戦争をその最大の被害者である子供の視線で
描くという信念が見事に結実したもので、1952年『禁じら
れた遊び』などにも比肩する作品が完成した。
また、映画後半のスイスに向かう風景は『サウンド・オブ
・ミュージック』も思い出させ、その中でつかの間、屈託
なく遊ぶ子供たちの姿は最高のメッセージに思えた。
それにしても、ここに描かれるのはフランス国内でのユダ
ヤ人弾圧の真実であり、それはある意味フランスの負の歴
史である訳で、これをフランス映画界が描いたことも称賛
したい。
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07月09日(日)
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