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On the Production
by 井口健二
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■二度めの夏二度と会えない君、Heart and Hearts Korean Film Week、ワンダーウーマン
彼に会いに行こうと言われる。そして乗ったバスには老人が
大勢同乗していた。出演はムン・チェウォンと2012年8月紹
介『高地戦』などのコ・ス。南北朝鮮の離散家族の問題に現
代のもう一つのテーマを絡めて、見事に描き上げた珠玉とい
う言葉もぴったりと言える作品だ。特に結末のシーンには目
を見張らされた。VFXがこれほどの効果を上げる作品も珍
しいだろう。
『春の夢』“춘몽”
街のチンピラ、北朝鮮出身の作業員、小金持ちのボンボンの
3人の男が屯するバラック建ての飲み屋。3人の目当てはそ
の店を1人で切り盛りする女店主だ。彼女には介護が必要な
父親がいて、3人はその父親の面倒も観たりもする。そして
いつも飲んだくれているパラダイスのような場所。そこに謎
の男が現れて波風が立ち始める、監督は中国出身のチャン・
リュル。出演はハン・イェリ、ヤン・イクチュン、ユン・ジ
ョンビン、パク・チョンボム。南北問題を抱える国情などい
ろいろな側面はあるが、日本でも同じような状況にはなるこ
ともありそうだ。そんなある意味普遍的な青春ドラマが展開
される。
『バッカス・レディ』“죽여주는 여자”
2007年1月9日付「東京国際映画祭」で紹介『多細胞少女』
などのイ・ジェヨン監督による現代韓国ソウルの裏の顔を描
いた作品。主人公は高齢者を主な客にする街娼。本人も高齢
者だが「死ぬほど上手」というテクニックで彼女目当ての客
も多いようだ。そんな彼女は、街を彷徨う混血の幼い男の子
を家に連れてきたりもする。そして彼女の許には「生きるの
が辛い}と告白する客も現れる。そんな周囲の人々の希望に
応えようとする主人公だったが…。出演は、2011年5月紹介
『ハウスメイド』などのユン・ジョヨン。後半の展開にはか
なり重く感じるものもあるが、これが現代社会だろう。この
展開も韓国特有の側面もあるが、日本にも通じる作品だ。
Heart and Hearts Korean Film Weekは、東京はシネマート
新宿にて7月22日−8月11日、大阪はシネマート心斎橋にて
7月29日−8月11日に開催される。
『ワンダーウーマン』“Wonder Woman”
1970年代後半のテレビシリーズも懐かしい、DCコミックス
きってのスーパーヒロインを描いた作品。
2016年『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』
に登場したワンダーウーマンだが、今回の作品ではその起源
が描かれる。
故郷は神秘のベールに包まれたセミスキラ島。そこは女性だ
けのアマゾン族の国であり、長い年月に亙って人類の目から
は隠されていた。そして島の女王の娘ダイアナは、全ての言
語と全ての武芸に通じる女戦士として育てられていた。
ところが航空機の登場で島の海域への侵入が可能となり、図
らずも人間の男性が登場することになる。彼(スティーヴ)
はイギリス諜報部のスパイで、折しも世界大戦中のドイツに
潜入して秘密兵器の情報収集に当っていた。
しかし遂に手に入れた科学者のノートと共に単葉機で逃走中
を追ってきた戦闘機に撃墜され、島の海域に墜落したのだ。
さらに彼の後を追ってドイツ軍の艦船も侵入してきた。斯く
して戦闘となり、女戦士たちは辛くも勝利するが…。
彼の証言から世界に危機が迫っていると知ったダイアナは、
その陰に潜む人知を超えた存在を察知し、スティーヴと共に
島を出てロンドンに赴き、世界平和に貢献することを使命と
して活動を開始する。
因に背景となっている戦争が第1次大戦だと判って観ている
と、この秘密兵器には震撼する。それが第2次大戦では原子
力爆弾へと繋がって行く訳だが、それはハリウッド映画では
描けない話かな?
出演は、『ジャスティスの誕生』でも同じ役を演じたガル・
ギャドットと、『スター・トレック』シリーズなどのクリス
・パイン。他にロビン・ライト、デヴィッド・シューリス、
2016年12月紹介『汚れたミルク』などのダニー・ヒュースト
ンらが脇を固めている。
監督は、2004年8月紹介『モンスター』でシャーリズ・セロ
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06月18日(日)
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