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On the Production
by 井口健二
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■フィッシュマンの涙、エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街
タトゥイーンのシーンは、その一部のフィルムが挿入され、
これはファンには貴重な映像にもなっている。これは本来な
らルーカスの宇宙への憧れを描いた重要なシーンだ。
また撮影当時の状況なども紹介され、彼らが参加するに至っ
た経緯や、異常な暑さでストーム・トルーパーのマスクを着
けているだけで大変だったという話には、自分もその撮影に
参加していた気分にもさせてくれた。
また彼らのその後の状況なども紹介され、本人が「エキスト
ラ程度なのにどうして?」と語る程のファンの熱狂ぶりや、
アピールし損ねてその後も長く下積みのままような人たちが
思いを語る。それは僕らの胸にも突き刺さる。
そしてそのような話がそれぞれの出演シーンと共に登場し、
そこにはその後の様々な映画のシーンもあって、ある種の映
画史的な興味もそそられる。特にスタンリー・クーブリック
やスティーヴ・リーヴスとの件はおお!と思わせた。
ただそれらのシーンのやらずもがな画面構成や、また巻頭の
語りだけのシーンはちょっとうざいかなとも思えるところも
あって、ファンはそこを耐えれば大いに楽しめるのだが…。
その辺でファン専用とも言いたくなるものだ。
公開は12月17日より、東京は新宿武蔵野館にてモーニング&
レイトショウ、他は大阪はシネマート心斎橋、愛知は名古屋
シネテークなどで、全国順次ロードショウとなる。

この週は他に
『キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち』
                    “봉이 김선달”
(17世紀の清に支配された朝鮮を舞台に、清の威光を着て庶
民を苦しめる役人を懲らすため立ち上がった詐欺師の物語。
その手口は奇想天外で壮大なものだった。実在したとされる
題名でもある詐欺師については、日本ではほとんど知られて
いないが韓国では有名な人物のようで、虚実を絡めたその物
語がVFXも駆使して描かれている。なお物語の結末の一部
はエンディングロールの中でも話が進むので、席は立たない
ように。公開は1月20日よりTOHOシネマズシャンテ他にて、
全国順次ロードショウ。)
『こころに剣士を』“Miekkailija”
(1950年代のソ連に支配されたエストニアで、戦時中ナチス
の兵士だったために秘密警察に追われる元フェンシング選手
の物語。本名を隠して教師となり、子供たちに競技を指導し
た主人公は、生徒の希望で全国大会に臨むことになる。しか
しそこには秘密警察の包囲網が待ち構えていた。2016年11月
5日付「東京国際映画祭」で紹介『ザ・ティーチャー』に続
いてソ連時代の衛星国での状況が描かれる。今後はこういう
作品が増えるのかな? 公開は12月24日より、東京はヒュー
マントラストシネマ有楽町他で、全国順次ロードショウ。)
『マグニフィセント・セブン』“The Magnificent Seven”
(2016年9月紹介『七人の侍』をハリウッドがリメイクした
1960年『荒野の七人』に、2001年『トレーニング・デイ』、
2014年『イコライザー』のデンゼル・ワシントン主演、アン
トワン・フークワ監督のコンビが挑戦した作品。物語はオリ
ジナルから少し違えて、『イコライザー』に出演ヘイリー・
ベネット扮するヒロインも活躍する作品になっている。闘い
のシーンも敵側に当時の最新兵器まで登場する大掛かりなも
のだ。公開は1月27日より、全国ロードショウ。)
『バンコクナイツ』
(2011年公開『サウダーヂ』が話題になったの富田克也監督
と脚本の相澤虎之助が、タイを主な舞台に描いた彼らの作品
の原点とも言える「娼婦、楽園」がテーマの物語。実は昨年
6月に製作発表イヴェントがあり、その際に彼らの意気込み
も聞いていた。その物語はバンコクの日本人向け歓楽街を舞
台に、そこに蠢く日本人男性やタイ人女性の姿が描かれる。
そして舞台はラオスにまで広がる壮大な物語が展開される。
公開は2月25日より、テアトル新宿にてロードショウ。)
『タンジェリン』“Tangerine”
(昨年の東京国際映画祭でも上映された全編iPhone5Sだけで

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11月13日(日)
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