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On the Production
by 井口健二
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■団地、帰ってきたヒトラー
実は原作本の翻訳が出たときに書店で手に取って、後書きに
映画化の情報もあったので買ってしまった。それでも普段は
なかなか読む暇もないのだが、本作は少し読み始めたら止め
られなくなって読み通してしまったものだ。
原作はそれくらいに面白いものだったし、さらに映画化され
たらどうなるのだろうという想いも広がったものだ。従って
期待の映画化ということで、試写状が来て早速観に行ったも
のだが…。
その映画化は、一人称で描かれていた原作に対してそうでは
ない本作の出だしでは多少戸惑ったが、ヒトラーが活躍を始
めるとそんなことは吹っ飛んでしまうくらいの風刺の痛快さ
は全く健在だった。
いやむしろ字面で読んでいるより映像になった分だけ痛烈に
なっているようにも感じられた。ただそれがあまりに生々し
くて、本当に大丈夫なのだろうかと心配にもなってしまった
くらいのものだ。
まあ撮影中は抗議や妨害もあったというから、それだけの問
題作と言えるのだろう。因に、イタリアではムッソリーニを
主人公にしたリメイクが計画されているそうだが、日本では
どうなのかな?
公開は6月。全国ロードショウとなる。

この週は他に
『フラワーショウ!』“Dare to Be Wild”
『シークレット・アイズ』“Secret in Their Eyes”
『ディアスポリス』
『オマールの壁』“Omar”
『ブルックリン』“Brooklyn”
『リリカルスクール未知との遭遇』
を観たが全部は紹介できなかった。申し訳ない。

04月03日(日)
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