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On the Production
by 井口健二
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■太陽、ローカル路線バス乗り継ぎの旅in台湾 THE MOVIE、ボーダーライン、女が眠る時
くこともあるが、それは高速バスということで、ローカル路
線バスの乗り継ぎと言うのは、実際にこの様な番組の企画で
もなければ普通はやらないことだろう。
それを敢えてやるところがこの企画の面白いところで、それ
は乗り継ぎの場所ごとに風情やドラマが感じられるところに
もなる。その辺はすでに国内で21作も手掛けているスタッフ
には、正に手の内のように巧みに手堅く描かれた作品だ。
それは逆に上手く嵌り過ぎている感じもあって、ドキドキ興
奮するような展開には欠けているかもしれないが、先々での
人との出会いなどがそれなりに温かく描かれているところな
どが、ほのぼのとした良さにもなっている。
それに映画ファンには、先に話題になった台湾映画の舞台の
土地なども登場して、これは劇場版として計算されていたの
かな? これにはちょっと驚かされた。その辺は上手くでき
た作品だ。
内容的にはテレビ番組そのままで、それを劇場で観る価値が
あるのかというところにはなるが、映画館で観たら案外テレ
ビも観たくなる…そんな感じの作品にもなっていた。いずれ
にしても見慣れない風景を観るのも映画の楽しみの一つだ。
公開は2月13日より、東京は新宿ピカデリー、ユナイテッド
・シネマ豊洲ほかで、全国ロードショウとなる。

『ボーダーライン』“Sicario”
2011年10月紹介『灼熱の魂』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監
督が、2014年6月紹介『ALL YOU NEED IS KILL』などのエミ
リー・ブラントを主演に迎え、麻薬戦争の実態を描いたアク
ション作品。
ブラントが演じるのはFBIの誘拐即応班でリーダーを務め
る女性捜査官。ところが彼女の指揮するチームが踏み込んだ
メキシコ国境にほど近い街の家の壁には、おびただしい数の
遺体が埋め込まれていた。
その家の所有者は実はメキシコの麻薬組織に繋がる男で、そ
れらの遺体は麻薬密輸に関って殺された人々だった。そして
彼女は上司の許に呼び出され、麻薬組織撲滅のためのより高
レヴェルのチームにスカウトされたと告げられるが…。
それは国境を越え、FBIの捜査範囲を超える新たな作戦の
始まりだった。
共演は、2008年12月紹介『チェ28歳の革命/39歳別れの
手紙』などのベニチオ・デル=トロ、2013年2月紹介『L.A.
ギャングストーリー』などのジョッシュ・ブローリン。
脚本はテレビシリーズの主演も務める俳優でもあるテイラー
・シェリダン。テキサス州出身の俳優が自らの子供時代とは
様変わりし、悪の巣窟となってしまったメキシコへの思いを
込めて描いた作品とのことだ。
宣伝文には『ゼロ・ダーク・サーティ』『アメリカン・スナ
イパー』などの作品名が並ぶが、軍隊万歳で右傾化の臭いも
するこれらの作品に対して本作は、正にアメリカ庶民が直面
する問題を背景に、国家犯罪も匂わせる作品になっている。
その点で言えば、この週に観た作品の中で一番の問題作とも
言えそうだ。
それにしてもブラントは、以前は若い女性の憧れを体現して
いるような女優だったと思うが、『ALL YOU NEED IS KILL』
でのアクションのお蔭でこんな役も演じるようになるとは、
ハリウッドスターも大変な職業だ。
公開は4月9日より、全国ロードショウとなる。

『女が眠る時』
1992年に発表された『白い心臓』という小説が日本語に翻訳
されているスペイン作家ハビエル・マリアスの短編小説を、
2009年7月紹介『千年の祈り』などのウェイン・ワン監督が
映画化した作品。
主人公は数年前に出したデビュー作が評判になったという作
家。しかし第2作で躓いてスランプに陥り、さらに編集者の
妻とも倦怠期となって就職を決意。最後の骨休みでリゾート
ホテルに来ている。
そんな主人公がプールサイドで日光浴をする若い女性と初老
の男性のカップルに目を止める。その不釣り合いなカップル
が気になった主人公は2人の後をつけるようになり、やがて
カップルの部屋を覗き見るようになるが…。
主人公は初老の男性に声を掛けられ、部屋に招かれた主人公
はある秘密を教えられる。

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01月24日(日)
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