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On the Production
by 井口健二
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■ドラゴンボールZ 復活の「F」、新選組オブ・ザ・デッド/Zアイランド/遺言/ニート・オブ・ザ・デッド
共演は、山本千尋、竹石悟朗、水樹たま、上杉周大。他に、
2005年9月『探偵事務所5』で出演と一部監督も務めた渡辺
一志、2013年11月紹介『ネオ・ウルトラQ』のPart 2に出演
の尚玄らが脇を固めている。
因に、山本千尋は昨年公開の『太秦ライムライト』にも主演
していて、同作でも見事なチャンバラを披露していた。実際
に剣道の腕前も確かなようで、今後にも期待したい。
2本目は、哀川翔芸能生活30周年記念作品と称された作品。
2014年1月紹介『サンブンノイチ』などの品川ヒロシ脚本・
監督による第4作で、今年1月紹介『ら』などの西村喜廣が
特殊造形監修を担当している。
物語の舞台は銭荷島という名前の離れ小島。そこでは愛人と
共に組を抜けた1人のチンピラやくざが、組から持ち出した
ドラッグを捌いて金を稼ごうとしていた。しかしその事実が
発覚し、敵対する2つの組の幹部が島にやってくる。
その頃、島の診療所では奇妙な症状の患者が増え始め、やが
て患者はゾンビに変身。さらに患者が人に噛みつくと被害者
もゾンビになっていた。しかもそこにドラッグが加わると…
それはとんでもない効果を生じることに。
一方、やくざ稼業に疲れて組を解散した元親分らが、やくざ
の父を嫌って家出した娘の後を追ってその島にやってくる。
そしてゾンビとやくざの抗争に遭遇した彼らは否応なくその
戦いに巻き込まれることになるが。
共演は、鈴木砂羽、鶴見辰吾、木村祐一、宮川大輔。さらに
風間俊介、窪塚洋介、中野英雄。他に吉本興業の芸人らが脇
を固めている。
品川の脚本は過去のゾンビ映画をそれなりに研究はしたよう
で、いろいろと薀蓄があったり、まあ観客を面白がらせよう
とはしているようだ。ただこの作品も、もう少し何か捻りが
欲しかったかな。全体に物足りない感じが残った。
3本目と4本目は、実はそれぞれ短編作品で公開も2本立て
で行われる。その前者は『トカレフ2010 運命の撃鉄』とい
うVシネを監督したことのある木部公亮の作品。
ゾンビ禍が終息したもののまだ後遺症の残る社会を背景に、
ゾンビの処分を委託された民間組織と、ゾンビになった家族
を隠し続けようとする人々との葛藤が描かれる。テーマ的に
はかなりへヴィな作品だ。
ただし、監督の興味がこのへヴィなテーマにあるかどうかは
多少疑問には感じたところで、映画ではかなり安易に銃器を
振り回す民間組織の姿が描かれている。それを監督の前作の
題名と重ねると、少し気になったところだ。
これに対して後者は、2013年『いのちのコール』などの脚本
家の南木顕生による監督デビュー作。
登場するのは、寝たきりの父親と引きこもりの息子を抱える
夫婦。世間はゾンビ禍で騒いでいるが、家族が家から出る心
配の夫婦は安泰と考えていた。ところが…。
ゾンビの描き方自体は在り来たりだが、引きこもりのはずの
息子が何故かゾンビになっているという展開が面白く、今回
紹介した作品の中では一番気に入っている作品だ。
出演は、筒井真理子と木下ほうか。他に金子修介監督の息子
の金子鈴幸、『昭和残侠伝』などの製作者の吉田健。さらに
今年3月紹介『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』などの白石
晃士、カルト俳優のホリケン。らが脇を固めている。
現在のゾンビという映画ジャンルはジョージ・A・ロメロが
確立したと言って過言ではないが、そのロメロはゾンビ映画
について、「死者をリスペクトしないといけない」と述べて
いる。
その観点で言うと、今回の4作品にはあまりそれが感じられ
ないというのが正直なところだ。もちろんこれはロメロ個人
の意見だが、ゾンビに限らず最近の日本映画では、登場人物
にリスペクトを感じられない作品が多いように思える。
僕にはそれが映画をつまらなくしているようにも思えるもの
だ。
公開は1本目が4月11日より、東京は新宿バルト9他で全国
ロードショウ。2本目は5月16日より全国ロードショウ。そ
して3本目と4本目は6月13日より、東京は渋谷ユーロスペ
ースで2本同時上映となる。
04月05日(日)
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