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On the Production
by 井口健二
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■バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)、振り子
やがて2人は結婚し娘も生まれるが、男性は事業に失敗し、
その心労もあってか女性は病に侵される。
そんなオリジナルのパラパラ漫画に描かれたストーリーに、
時代背景などに則したいくつかのエピソードが加えられ、そ
の時代に生きた庶民の男女の姿が描かれる。それは僕自身の
記憶に照らしても納得できる作品だった。
出演は、2012年2月紹介『高野聖』などの中村獅童、2014年
9月紹介『風邪(ふうじゃ)』などの小西真奈美。彼らの若
い頃を2014年3月紹介『A.F.O』などの石田卓也と2013年
11月紹介『赤々煉恋』などの清水富美加が演じる。
その脇を板尾創路、笛木優子、武田鉄矢、研ナオコ、松井珠
理奈、鈴木亮平、ダイアモンド☆ユカイ、武井壮、黒田アー
サー、サヘル・ローズ、小松政夫らが固めている。
脚本と監督はTBS制作局で『金スマ』などのチーフディレ
クターを務める竹永典弘。本作は放送局と吉本興業がタッグ
を組む「TV DIRECTOR’S MOVIE」としてTBSが製作、昨年
の沖縄国際映画祭に出品されて好評だったようだ。
元々がパラパラ漫画で3〜4分程度の物語だから、内容的に
は正直に言ってそれはベタなものだ。でもまあそのシンプル
さがいま時には心地よさにも昇華している感じかな。その辺
の演出はディレクターとして10年以上のキャリアだろう。
しかも原作には描かれていなかったいくつかのエピソードは
脚本家が付け加えたものだろうが、それがまたうまく物語に
嵌って作品全体を盛り上げている。特に原作のエンディング
に纏わる経緯は、巧みに胸を打つものになっていた。
「TV DIRECTOR’S MOVIE」としては2011年9月紹介『クロサ
ワ映画2011』の前作などが先にあるもののようだが、TBS
と言えば以前は「ドラマの」とも呼ばれていた放送局だし、
これからにも期待したい。
公開は2月28日から、東京は角川シネマ新宿、池袋シネマロ
サ、大阪はTOHOシネマズなんば他で、全国順次公開となる。
02月08日(日)
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