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On the Production
by 井口健二
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■フライト・ゲーム、セデック・バレの真実、エアポート2014(アサフェス)
る背景も正確に語られ、単に軍や警察の横暴だけではない、
文化の違いに根差した行き違いなども判り易く説明され、そ
の難しさなども紹介されている。
その一方で本作では、暴動の結果として元の居住地を追われ
た現地人の親子が祖先の土地を訪ねる旅も紹介され、そこで
は現地の言葉を聞き取ることはできても話すことはできなく
なっている息子たちの様子なども描かれる。
それは一時は日本語であり、その後は北京語で行われている
教育の問題もあるようで、民族文化の保護の面からも早急な
対処が必要と感じられたものだ。たとえそれが首狩りの蛮族
と言われた人々であったとしても…。
ダーション監督の『セデック・バレ』を観た人には、本作は
必ず観て欲しい作品。本作を先に観た人はその後にでもダー
ション監督の作品も観て欲しい。両方を観て初めて事件の全
容を理解できる感じがした。
公開は8月23日から、東京は新宿K'sシネマにて開催される
「台湾巨匠傑作選」の1本として上映される。
なお「台湾巨匠傑作選」ではダーション監督の『セデック・
バレ』も上映される他、ホウ・シャオシェン、エドワード・
ヤン、アン・リー監督らの作品が上映される。
『エアポート2014』“Airplane vs Volcano”
今年4月に『メガ・シャークVSメカ・シャーク』を紹介した
アメリカのジャンル系映画会社The Asylumの作品が、「アサ
フェス」と称して8本まとめて劇場公開されることになり、
その内から日本初紹介となる本作などを鑑賞した。
物語の主な舞台はハワイ諸島のとある島に向い飛行中だった
旅客機の機内。ところが目的地の島が突然大噴火を起こし、
着陸地を失った飛行機はオートパイロットによりその地点を
中心にした円周を巡ることになる。
しかも被災時に機長と副操縦士が死亡。機長が暗証をセット
したオートパイロットは解除不能。そして操縦は、今までは
6人乗りしか経験のない素人パイロットに委ねられ、火山弾
を避けながらギリギリの飛行となる。
一方、その状況は米軍のレスキュー部隊にも伝えられるが、
多くの隊員の犠牲が予測される救出作戦に司令官は島民避難
の優先を理由にして出動要請を却下。さらに地下に溜まった
エネルギーは次の大爆発で甚大な被害が予想され…
という究極の状況の中でのサヴァイヴァル劇が展開される。
しかも映像的には、そこいら中が噴火している中を飛行する
旅客機という正に地獄絵図。これがCGIで迫力満点という
か、外連味たっぷりに描かれている。
お話自体は如何にもありそうな展開で、登場人物もステレオ
タイプそのもの。しかも後半に繰り広げられるドラマは唖然
というか、「ああやっちゃた」という感じで…。でもこれが
サーヴィス満点のエンターテインメントなのだ。
先に紹介したリーアム・ニースン主演作みたいに真面目では
ないけれど、これはこれで精一杯やっている感じがする。と
にかく観客を楽しませたい、そんな作り手たちの頑張りが微
笑ましくも感じられる作品だ。
公開は8月2日から、東京は新宿シネマカリテにて開催され
る「アサフェス」の1本としてレイトショウ上映される。
「アサフェス」では、本作と上記の『メガ・シャークVSメカ
・シャーク』の他、以下の作品も上映される。
『バトル・オブ・アトランティス』“Atlantic Rim”
原題を見れば判る通りの、2013年7月紹介『パシフィック・
リム』の模倣作品。オリジナルと同じく巨大パワードスーツ
で怪獣と闘うお話だが、設定と人間ドラマがあまり融合して
おらず、パロディと呼ぶのもちょっとかな。
『ゾンビ・アルカトラズ』“Rise of the Zombies”
サンフランシスコ湾の監獄島に取り残された人々と、都市部
に蔓延するゾンビとの戦いを描いた作品。2013年9月などで
紹介の『ウォーキング・デッド』に似た展開で、お話もそこ
そこ考えられている。マリエル・ヘミングウェイ、ダニー・
トレホらの出演者の顔ぶれも揃っていた。
『ダイナソーin L.A.』“Age of Dinosaurs”
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07月06日(日)
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