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On the Production
by 井口健二
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■奴隷区/僕と23人の奴隷、歌舞伎町はいすくーる、ポリス・ストーリー レジェンド、ホドロフスキーのDUNE+Oscar
予言が現実味を帯び始める。
出演は、昨年12月紹介『ゼウスの法廷』などの塩谷瞬、歌舞
伎役者の片岡愛之助、2010年8月紹介『桜田門外ノ変』の川
野太郎、2012年8月紹介『FASHION STORY』の大島なぎさ、
2009年『ロボゲイシャ』などの熊切あさ美、『黄金を抱いて
翔べ』などの辻やすこ。
他に、十勝花子、元「コントゆーとぴあ」の城後光義、『北
のカナリアたち』などの乃木太郎らが脇を固めている。また
千葉真一がゲスト出演。それに昨年10月に交通事故死した桜
塚やっくんがカメオ出演している。
映画の前半は、プロレスラーやバーレスクダンサー、さらに
オカマやキャバクラ嬢など、まあ歌舞伎町の名には相応しい
多士済々のキャラクターの濃い連中が登場して、那須脚本の
代表作でもある80年代『ビー・バップ・ハイスクール』の再
来を期待させる。
ところが後半になると突然それがSF物となり、その落差に
多少戸惑う感がした。これは例えば今年2月紹介『ワールズ
・エンド』などと似た流れなのだが、やはり日本人にSFは
難しいのかとも思ってしまうところだ。
因に試写の後で宣伝担当者に聞いたら、原作にはSFの要素
はないそうで、そこは脚本家のオリジナルとのこと。そこで
さらに考えると、脚本家はここに『北のカナリアたち』にも
通じる青春への思いも込めているようだ。
しかしその全体が充分に調和しておらず、バラバラのテーマ
の羅列がそれぞれの部分で混乱を招いている。そんな感じが
してしまった。もっとも上記の『ワールズ・エンド』も混乱
がないとは言えず、この種の侵略物は基本難しいものだ。
公開は5月3日より、東京は新宿ミラノほかでロードショウ
される。
『ポリス・ストーリー レジェンド』“警察故事2013”
1985年−96年に4作が製作され、2005年1月には『香港国際
警察』を紹介したジャッキー・チェン主演『ポリス・ストー
リー』シリーズの最新作。
物語の舞台はクリスマスの北京。主人公の初老の警官が娘に
呼び出されて新興の歓楽街にやってくる。そして導かれるま
ま工場を改築したクラブに入場した主人公は、派手な衣装の
娘に恋人としてそのクラブのオーナーを紹介される。
しかし当然そのような男は主人公の容認できないもの。その
ため娘とも諍いになるが、開場パーティと称するそのクラブ
には、主人公が関ったある事件の関係者が招待されていた。
そして事態は立て篭り事件へと進展するが…
共演は、2008年2月紹介『王妃の紋章』などのリウ・イェ、
西安出身で、すでに他の大作のヒロインも演じているジン・
ティエン、新疆ウイグル自治区出身で本作が映画デビューの
グーリー・ナーザー。
さらに、元は人気ロックバンドのリードヴォーカルだったジ
ョウ・シャオオウ、中国の格闘技・散打チャンピオンのリュ
ウ・ハイロン、2010年9月紹介『ラスト・ソルジャー』など
のユー・ロングァンらが脇を固めている。
脚本と監督は、『ラスト・ソルジャー』のディン・シェン、
アクション監督も『ラスト・ソルジャー』のヘ・ジュンが務
めている。ジャッキー入魂主演作の顔ぶれが再結集した作品
だ。
2013年3月紹介『ライジング・ドラゴン』では「ジャッキー
・チェン最後のアクション大作」と称されていたものだが、
本作でもしっかりとアクションしている。もちろん1954年生
まれ、もうすぐ還暦のジャッキーのアクションは、以前ほど
過激ではないが、見せるところはちゃんと魅せる映画として
見事に描かれていた。
実は先にジェット・リーの新作を試写で観て、走った後で肩
で息する姿に、それは演技としてもあまり観たくないものを
観てしまった感じに囚われた。しかしジャッキーは、流石に
その辺も心得てファンを楽しませてくれた。
しかも本格的な格闘シーンも若手たちの見せ場として用意す
るなど、ファンの心を憎いまでに掴んでくる構成の作品だ。
因に監督は、ジャッキーにはアクションのない作品として出
演を説得し、現場で徐々に加えたのだとか。
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03月09日(日)
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