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On the Production
by 井口健二
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■ゴッド オブ バイオレンス/シベリアの狼たち、ワールズ・エンド、パンドラの約束
フランシス・フォード・コッポラの息子でソフィア・コッポ
ラの兄でもあるローマン・コッポラによる2001年“CQ”以来
となる長編監督第2作。因に彼は2012年12月紹介『ムーンラ
イズ・キングダム』の脚本も手掛けている。
出演はチャーリー・シーン、ジェイスン・シュワルツマン、
ビル・マーレイ、パトリシア・アークェット。題名の通りの
かなりアヴァンギャルドなコメディで、その手の作品が好き
だとそれなりに楽しめる作品だった。
『サイトシアーズ殺人者のための英国観光ガイド』
“Sightseers”
2008年5月紹介『ホット・ファズ』などのエドガー・ライト
監督が製作総指揮を務め、『ホット・ファズ』に出演のアリ
ス・ロウが共同脚本と主演を務めたロード・ムーヴィ風のブ
ラックコメディ。
この作品も題名の通りで、英国観光ガイドというにはかなり
マイナーな観光地が紹介され、その先々で殺人事件が起きて
行くというお話。ただしブラックの度合いはかなり高くて、
こちらも好きな人には勧めたいという作品だ。
『ワールズ・エンド』“The World's End”
上に書いた『サイトシアーズ』では製作総指揮を務めていた
エドガー・ライト脚本・監督による最新作。『ミッション:
インポッシブル』や『スター・トレック』でもレギュラーを
務めるサイモン・ペッグが、『ホット・ファズ』以来となる
ライトとの共同脚本と主演を務めている。
事の起こりは1990年6月22日の夜。イギリスの田舎町ニュー
ヘヴンで、高校卒業を祝した5人の若者がゴールデンマイル
に挑戦する。それはその町の中心街にある12軒のパブを一晩
でハシゴするというものだ。しかし途中で脱落者が続出し、
挑戦は失敗する。
それから20年。5人は故郷を離れ散り散りになり、それぞれ
家庭を持ったり企業戦士として活躍していたが、当時のリー
ダーだったゲイリーには挑戦失敗の想いだけが残っていた。
そしてゲイリーは当時の仲間を呼び集め、ゴールデンマイル
への再挑戦を宣言するのだが…
そこに当時のマドンナだった仲間の妹も登場し、禁酒中の奴
も加わった泥酔の挑戦が開始される。ところが4軒目でトイ
レに寄った彼らは飛んでもない光景に遭遇する。その町では
人類の存亡に関わる謎の陰謀が進行していたのだ。果たして
彼らは酒を飲む自由を守ることができるのか。
以前にイギリスを旅した時に、パブで1パイントのビールを
飲むのが楽しかった思い出があって、それはそれなりの量で
あった記憶がある。だから本作の主人公たちのように一晩で
12パイントというのは、かなりの酒量になる。そんな思いに
も浸りながら作品を楽しんだ。
自分の立場上、SF映画であることは心得ていたので後半の
展開にも驚くことはなかったが、ただまあ映画の前半と後半
とでの落差は、さすがペッグとライトのコンビと言うか、こ
れが彼らの映画という感じの作品だった。ただし今回は発想
はペッグだが、全体はライトの色彩が強いのかな。
いずれにしてもかなりブラックヒューモアな面もあるファン
タシー・コメディという感じの作品だ。
共演は、2011年10月紹介『宇宙人ポール』ではペッグと共に
共同脚本も手掛けてい盟友のニック・フロスト。
他に『ホット・ファズ』などのパディ・コンシダイン、『ホ
ビット』のマーティン・フリーマン、昨年9月紹介『フィル
ス』などのエディ・マーサン。そしてヒロイン役を、2009年
11月紹介『サロゲート』や昨年1月紹介『アウトロー』など
のロザムンド・パイクが演じている。
『宇宙人ポール』などを観ているとペッグのSF好きは理解
できるところだが、そこにライトが加わるとかなりブラック
な方向に進んでしまうのは、上に書いた『サイトシアーズ』
でも感じられる。それがSFのファンの興味とは違う方向な
のがちょっと残念ではあるが、多分これが時流なのだろう。
公開は4月から、東京は渋谷のシネクイント他で、全国ロー
ドショウとなる。
『パンドラの約束』“Pandora's Promise”
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02月09日(日)
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